ツヤツヤのブラウンボディに、金色の瞳。見た目はちょっとクールなのに、中身は超甘えん坊でおしゃべり――それがバーミーズです。日本ではまだまだレアな猫種ですが、「犬みたいに人懐っこい猫と暮らしたい」「短毛だけど存在感のある子がいい」という人にはぴったりの相棒タイプ。ここでは、日本の飼い主さん目線で、性格・特徴・お迎え事情・飼い方のコツまでまとめてご紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | ミャンマー（旧ビルマ）原産の土着猫がルーツ。その後アメリカ・イギリスで品種として確立 |
| 毛の長さ | 短毛（スムースなシングル〜ダブルコート／手触りはシルクのように滑らか） |
| カラー | セーブル・シャンパン・ブルー・プラチナなどウォームトーンのソリッドカラーが代表的（ヨーロピアン系はさらに多彩） |
| 模様パターン | ほぼ全身が均一に色づく「ソリッド（セピア）」タイプが基本 |
| 体重 | オス約4.0〜6.0kg／メス約3.0〜5.0kg の中型・筋肉質体型 |
| 性格 | 甘えん坊で人懐っこく、おしゃべりで遊び好き。“犬っぽい”一面も |
| 寿命（一般例） | 約12〜16年程度（一般的な家庭猫と同程度・個体差あり） |
| 公認団体 | CFA・TICA・FIFe・GCCF（アメリカン系／ヨーロピアン系でスタンダードの違いあり） |
| 入手難易度（日本） | ★4：かなり困難（専門ブリーダー・輸入が中心のレア猫種） |
💡特徴
バーミーズは、中型でほどよく筋肉質な“ギュッとつまった”ボディが魅力の短毛猫です。丸みのある小さめの頭に、やや大きめの耳、ゴールド〜イエロー系の印象的な瞳。代表色のセーブルでは、全身がビターチョコのようなブラウンに染まり、そのツヤ感と目のコントラストから「小さなブラウン・パンサー」と呼ばれることも。短毛ながら手触りはしっとりなめらかで、日本ではまだ出会う機会が少ない“知る人ぞ知る美形レア猫”です。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | ごく一部の大型店で単発入荷する程度。基本は出会えない前提 | |
| ブリーダー | 国内のアメリカン・バーミーズ系ブリーダー／海外キャッテリーからの輸入 | |
| 里親募集 | 血統書付きバーミーズとしての募集は、あっても極めて例外的 |
💬 解説
日本では、バーミーズはまだ「猫好きでも名前だけは聞いたことがあるかな？」というレベルの希少種。大手チェーンの猫図鑑には登場するものの、店頭で実物を見られるケースはかなりレアです。
実際にお迎えする場合、多くは専門ブリーダーやキャッテリーからの直譲渡（予約制）で、タイミングによっては「募集ゼロ」の時期も。ヨーロピアン系を希望する場合は、イギリスやヨーロッパからの輸入が現実的な選択肢になることもあります。
血統書付きバーミーズが里親サイトに出てくることはほぼなく、「全身ブラウンの短毛」「バーミーズ風」として紹介される雑種とは区別して考えた方がよいでしょう。
💡 豆知識
子猫のころは顔や手足の色がややポイント風に濃く見えることもありますが、成長とともにボディ全体が色づき、いわゆる“シャム柄”とは違う「セピア（ソリッド）」に落ち着いていきます。
- とにかく人懐っこく甘えん坊
- 家族にベッタリで“犬っぽい”一面
- おしゃべりで自己主張しっかり
- 遊び好きで、他のペットとも仲良くしやすい
- とにかく人懐っこく甘えん坊で、家では常に家族のそばにいたがる。「呼ぶと返事して走って来る」「膝や肩に乗ってくる」など、“犬っぽい相棒感”が強い。
- 明るく陽気で遊び好き。ボール遊びやじゃらし遊び、かくれんぼなど、人と一緒に遊ぶのが大好きで、子どもや他の猫・犬とも上手に付き合える子が多い。
- セーブルをはじめとした艶のあるコートと金色の瞳がとても美しく、「小柄なのに存在感抜群」「初めて見る人から“何の猫？”と必ず聞かれる」といった声が多い。
- おしゃべりで自己主張がはっきりしているため、静かな猫を望む人にはやや賑やかに感じられることも。「甘えたい時はずっと鳴きながらついてくる」ので、コミュニケーション前提の暮らしが必要。
- 人への依存度が高い子も多く、長時間の留守番やスキンシップ不足が続くと、ストレスからイタズラや粗相、過度のグルーミングなどが出ることもあると言われる。
- 日本ではブリーダー・病院ともに情報が少なく、「信頼できるキャッテリー探し」「遺伝性疾患や体質の相談」がしにくいと感じる飼い主もいる。特に地方では、バーミーズに詳しい獣医師を探すのに時間がかかることも。
- 膝は“早い者勝ち”の指定席
座った瞬間にスススッと膝の上にイン。新聞やPCを置く隙間はゼロ。「仕事よりボクでしょ？」と言わんばかりのドヤ顔で丸くなる。 - 返事のバリエーションが多すぎる
「ニャ」「ンニャ」「プルル」など、声のバリエーションが異常に豊富。ちょっと話しかけただけで何往復も会話が続き、人間のほうが先に根負けする。 - 家じゅうどこでもストーカー係
トイレ、洗面所、キッチン…飼い主が立ち上がるととりあえずついてくる。ドアを閉めると、外からじっと見つめる視線に罪悪感を刺激される。 - 寝るときの定位置は“ど真ん中”
布団に入ると、枕の真ん中か胸の上を遠慮なくキープ。他の猫が来ると、じりじりとにじり寄って最終的に人間が端に追いやられる。 - 来客にも“営業スマイル”発動
人見知りより“営業モード”が勝ちがち。初対面の人の膝に乗り、「この家で一番フレンドリーなの、私です」と自己紹介していく。 - ごはんの時間は秒単位で把握
毎日ほぼ同じ時間に、ごはん棚の前で待機。数分遅れるだけで、足もとぐるぐると抗議のダンスを披露してくる。 - おもちゃの隠し場所まで覚えている
じゃらしやボールをしまった引き出しをしっかり記憶。前に来てじっと見つめ、「そこにあるの知ってるよ？」と無言のプレッシャーをかける。 - 抱っこは“短距離集中型”
抱っこされるのは好きだけど、じっとしているのは数分まで。満足するとスルリと下りて、「次は遊ぼう！」とばかりにおもちゃコーナーへ直行。 - 写真だと地味に見えちゃう問題
実物はコートの艶感と瞳の輝きがすごいのに、写真だとただの茶色い猫に写りがち。「いや、本当はもっと綺麗なんだけど…」が口癖になる。 - 家の“空気読み係”を自任している
家族がケンカしそうな雰囲気になると、間に入るようにスリスリ。なで始めると、不思議と場が和んで話題が変わっていく。バーミーズ的仲裁術。
バーミーズは、その名の通りミャンマー（旧ビルマ）原産の猫をルーツに持つ猫種です。20世紀初頭、ビルマの寺院周辺にいたブラウンの短毛猫が、シャム猫とともにアメリカへ持ち込まれました。その中の1頭であるメス猫「ウォン・マウ」は、当初シャムの一種と考えられていましたが、ブリーダーや獣医師たちは、その体型や被毛の色合いがシャムとは明らかに異なる点に注目します。
そこでウォン・マウとシャムを交配し、その子孫同士を計画的に繁殖させたところ、濃いブラウンの全身色と、丸みのある体つきを持つ猫が安定して生まれるようになりました。これが現在の「アメリカン・バーミーズ」の始まりとされます。1930年代にはアメリカの猫登録団体でバーミーズとして公認されますが、一時期はシャムとの交雑が問題視され、公認取り消しなどの紆余曲折も経験しました。その後、血統管理を徹底したことで再び認められ、確立された品種として世界に広まっていきます。
一方、イギリスやヨーロッパでは、アメリカで確立したバーミーズをもとにしつつ、他の猫種との交配も行いながら独自のラインを発展させていきました。こちらは「ヨーロピアン・バーミーズ」と呼ばれ、アメリカ系よりややスリムで顔立ちも細長く、カラーもレッドやクリーム、トーティなど多彩なのが特徴です。現在、CFAやTICA、FIFe、GCCFなど主要な猫登録団体では、アメリカ系／ヨーロッパ系の違いを意識しつつも、「Burmese」としていずれか、あるいは両方のタイプを公認しています。
日本には、主にブリーダーや愛好家を通じて少しずつ輸入されてきましたが、ペルシャやアメリカンショートヘアなどのメジャー猫種に比べると、現在も頭数は多くありません。近年になって猫図鑑やペットショップのブログで「おしゃべりで陽気なレア猫」「犬のように人懐っこい猫」として紹介されることが増え、レア猫好きや短毛派の飼い主のあいだでじわじわと注目を集めています。とはいえ、実物に出会える機会はまだ限られており、「ペットショップで見かけたらラッキー」と言えるほどの希少種です。
環境づくり
- 人のそばにいたがる子が多いので、リビングなど家族が集まる場所にベッドや爪とぎ、居場所を用意する
- 高すぎないキャットタワーやステップを用意し、「上り下り＋かくれんぼ」ができる立体的な環境を作る
- 長時間の留守番が続く家では、知育トイや自動おもちゃなどを使い、退屈とストレスを減らす工夫を
食事
- 筋肉質な体型を保てるよう、高タンパク・適切な脂質バランスの総合栄養食を基準にする
- おしゃべりでおねだり上手な分、肥満にならないようおやつ量やカロリーはしっかり管理する
遊び
- じゃらしやボール、トンネルなど「一緒に遊べるおもちゃ」で、1日数回しっかり遊ぶ時間を作る
- 頭の良い猫なので、捕まえごたえのあるおもちゃや、隠す・探すタイプの遊びで“狩猟本能”も満たしてあげる
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等の「一般的に言われていること」をまとめると、以下のようなものが挙げられます（あくまで一般論であり、個体差があります）。
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥満・糖尿病 | 甘えん坊でごはんの要求も上手なため、食べ過ぎ・運動不足が続くと肥満から糖尿病リスクが高まる可能性。体重管理と定期検診が大切。 |
| 呼吸器・心臓系トラブル | 一部の血統では呼吸器や心臓系の疾患が報告されることがあり、若いうちからの健康チェックが安心材料になる。 |
| 関節・筋肉のトラブル | 筋肉質でよく動く猫種のため、シニア期には関節炎などのケアが必要になることも。滑りやすい床対策や段差の工夫がポイント。 |
📊 平均寿命（一般例）：約12〜16年程度
💡 適切な体重管理、完全室内飼育、定期的な健康診断（年1回、シニア期は年2回程度）を続けることで、無理なく元気に長生きしてくれる可能性が高まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | おおよそ20〜35万円前後（国内ブリーダー・ペットショップの希少種相場からの推定） |
| 価格差の要因 | ブリーダーの評価、血統（ショーラインかどうか）、毛色・顔立ち、繁殖地（国内／輸入）、健康検査の有無など |
| 購入ルート | 国内のバーミーズ専門ブリーダー／キャッテリー、海外ブリーダーからの輸入（仲介業者を通すケースも） |
💡 選び方のコツ
バーミーズは頭数が少ない分、「どこから迎えるか」がとても重要になります。
親猫が遺伝性疾患の検査を受けているか、狭いケージ飼いではなく家庭的な環境で育っているか、人に対してフレンドリーに育てられているか、などをしっかり確認しましょう。可能であれば親猫や兄弟の性格も見せてもらい、「甘えん坊だけど落ち着きもあるか」「人や他の動物と上手に関われているか」をチェックすると安心です。
朝起きると、胸元か枕の横に、当たり前のような顔で寝ているバーミーズ。「おはよう」と声をかければ、小さく鳴きながらゴロゴロ喉を鳴らし、まずは朝のスキンシップから一日がスタートします。
日中は、在宅の家族のあとをテクテクついて回り、デスクワーク中の膝に乗ったり、ソファに座ればすかさず横にピタッ。家事をしているときも、少し離れたところからじっと見守っていたりと、「とりあえず同じ空間にいたい」気持ちがダダ漏れです。
夜は、大好きなじゃらしで何本か本気遊びをしたあと、ゆっくりブラッシングタイム。短毛なのでお手入れはさっと済みますが、撫でられるのが好きな子が多いので、いつの間にか“なでなで時間”が長くなることも。最後は家族みんなが集まるベッドやソファでくつろぎながら、今日あったことをおしゃべりしているような表情を見せてくれます。「猫としっかり関わる暮らし」が好きな人にはたまらない、濃い時間を過ごせる猫種です。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
人懐っこく素直な性格なので、初めて猫を迎える人でも「しっかり向き合う」気持ちがあれば良いパートナーになってくれます。一方、長時間の留守番が続く環境では寂しさを感じやすいので、共働き家庭の場合は在宅時間や遊ぶ時間をしっかり確保できるかがポイント。子どもや他のペットとも仲良くしやすいため、家族が多いおうちや、一緒に過ごす時間をたっぷりとれる1人暮らしのパートナーにも向いています。
※比較表には「似た雰囲気で比較されがちな猫種」をピックアップしています。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| シャム（サイアミーズ） | とてもおしゃべりで活動的。甘えん坊だが気分屋な一面もあり、感情表現がハッキリしている | お世話自体はしやすいが、性格はやや上級者向けな面も | |
| トンキニーズ | シャム×バーミーズの中間タイプ。社交的で甘えん坊、“犬っぽさ”が強いおしゃべりさん | 性格はとても飼いやすいが、出会いのハードルが高め | |
| ブリティッシュショートヘア | おっとりマイペースで落ち着いた性格。抱っこはあまり得意でないが、そばにいるのが好き | のんびりした子が多く、比較的初心者にも向きやすい |
ママちゃん、バーミーズってさ、全身ツヤツヤの茶色いボディに金色のおめめなんでしょ？そんなの絶対モテるじゃん。ぼくのシルバータビーと並んだら、どっちがみんなの視線を集めると思う？
しょうちゃんも十分目立ってると思うけどね。バーミーズはセーブルっていう濃いブラウンの毛色とツヤのある被毛がすごくきれいで、たしかに初めて見る人には強いインパクトがある猫さんなの。でも、実は見た目だけじゃなくて、中身もすごく甘えん坊で、人のそばにいるのが大好きなんだよ。
性格はどんな感じなの？ああいう“美形タイプ”って、クールでツンツンしてそうなイメージなんだけど…。ぼくみたいな俺様系とケンカにならないかな？
バーミーズはむしろすごくフレンドリーで、家族にベッタリな子が多いって言われてるよ。おしゃべりも上手で、話しかけるとちゃんと返事してくれる子も多いんだって。しょうちゃんみたいに自己主張もするけど、「大好き！」って気持ちを全力で伝えてくるタイプだから、一緒に暮らしたらにぎやかで楽しいコンビになりそうね。
日本ではどれくらいレアなの？ぼく、ペットショップのガラス越しパトロールはかなりしてるけど、「バーミーズです」って子はほとんど見た記憶ないんだよね。
しょうちゃんの観察力は正解で、日本ではバーミーズを扱っているお店は本当に少ないの。ブリーダーさんの数も多くなくて、ネットのブリーダーサイトでも募集が出ていない期間がけっこうあるくらい。だから、もし実物に会えたら相当ラッキーなレアキャットだと思っていいレベルなんだよ。
そんなレアなら、お値段もやっぱり“俺様級”なんだよね？もしうちに来たら、ぼくのおやつやおもちゃ、節約されちゃったりしないかなぁ…。
ふふ、それはパパとママのお財布次第かな。バーミーズは国内での情報が少ないけど、希少種ってことを考えると、だいたい20〜35万円くらいが目安になりそうって言われてるよ。輸入になれば輸送費や検疫費用もかかるし、さらに高くなることもあるみたい。迎えるときは、費用だけじゃなくて健康管理やブリーダーさんとの相性も含めて、しっかり準備したい猫さんだね。
もし同居したらさ、あっちも甘えん坊でおしゃべりって聞くけど、パパとママの膝とかベッドの場所、取り合いにならない？ぼくの“お出迎え係長”のポジションも守れるかな…。
バーミーズも人が大好きだから、たしかに膝や枕元はちょっと混雑しそうだね。でも、性格は明るくて他の猫とも仲良くしやすいって言われているから、しょうちゃんがちゃんと「ここはぼくの場所だよ」って教えてあげれば、きっといいバランスが見つかると思うな。パパとママも、みんなが公平に甘えられるように順番を意識してあげるから、安心してね。
バーミーズは、ミャンマー生まれのルーツを持ちながら、アメリカやヨーロッパで洗練されてきた、とても人懐っこくておしゃべりな短毛猫さんです。セーブルカラーのつやつやボディと金色の瞳が印象的なうえに、家族のそばにずっといたがる甘えん坊な性格で、「猫とたくさん会話したい」「いつも一緒にいたい」というおうちにはぴったり。ただ、日本ではまだまだ頭数が少なく、ブリーダー探しや予算の準備に時間がかかる猫種でもあります。しょうちゃんのような元気でフレンドリーな先住猫がいるおうちなら、しっかり環境を整えてあげることで、とてもにぎやかであたたかい毎日を一緒に過ごせるパートナーになってくれるはずですよ。
