タイの王族にも愛された“白い宝石の猫”カオマニー。真っ白な被毛に、思わず見入ってしまう宝石のような瞳が印象的な猫種です。見た目はとても上品ですが、中身は人が大好きな甘えん坊で、おしゃべりでよく動く一面も。ここでは、日本でこれからカオマニーを迎えたい人向けに、性格・特徴から飼い方のポイント、健康・価格の目安まで、まとめて解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | タイ王国（旧シャム） |
| 毛の長さ | 短毛（やや短め〜中くらいの長さのなめらかな被毛） |
| カラー | 純白（ホワイトソリッド）が基本で、わずかにクリームがかる個体もいる |
| 模様パターン | ソリッド（単色）ホワイトのみが理想とされる |
| 体重 | オス約3.0〜5.5kg／メス約2.5〜4.5kg（中型・筋肉質で引き締まった体） |
| 性格 | 愛情深く人懐っこい一方で、活発で好奇心旺盛・おしゃべりな一面を持つ |
| 寿命（一般例） | おおむね10〜13年前後（個体差あり） |
| 公認団体 | TICA・CFA・WCF などで公認 |
| 入手難易度（日本） | ★4（かなり入手困難：国内頭数・ブリーダーともに少ない希少種） |
💡特徴
カオマニーは、タイ原産の短毛種で、全身が純白の被毛に包まれた中型の猫です。体つきはスレンダーすぎず、ほどよく筋肉質でしなやかなシルエット。頭部はやや丸みのあるくさび形で、耳は中くらい〜やや大きめ。シャム系のような極端な細長さはなく、柔らかく上品な雰囲気をまとっています。
最も印象的なのが「ダイヤモンドのような目」と言われる瞳の美しさ。ゴールド、グリーン、ブルー、オッドアイ（二色目）などさまざまなアイカラーが見られ、純白のボディとのコントラストはまさに宝石そのもの。被毛は短く密でシルクのようになめらかな手触りで、アンダーコートは薄め。お手入れの手間は比較的少ないものの、白いぶん汚れや涙やけが目立ちやすく、こまめなケアがポイントになります。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 海外提携ブリーダーとつながりのある一部専門店で、まれに取り扱いが出る程度 | |
| ブリーダー | タイ・欧米キャッテリーと提携している国内ブリーダーからの予約・輸入 | |
| 里親募集 | 稀にミックスとして保護される可能性はあるが、純血カオマニーは極めて稀 |
💬 解説
日本でのカオマニーは、まだまだ「知る人ぞ知る希少種」の位置づけです。大手ペットショップで常時取り扱われる猫種ではなく、海外ブリーダーとのパイプを持つ専門店や、一部の希少猫種を扱うショップで不定期に見かける程度と考えられます。
ブリーダーもごく少数で、カオマニーだけを専門的に繁殖しているというより、「タイ原産種」「希少短毛種」の一ラインとして繁殖しているケースが多いようです。実際に迎える場合は、海外キャッテリーとのやり取り、輸入手続き、ワクチン・検疫などの関係で、予約からお迎えまで時間がかかる点を覚悟しておきましょう。
保護猫・里親ルートで「血統付きカオマニー」と出会える可能性は非常に低く、現状ではペットショップやブリーダー経由が現実的なルートになります。
💡 豆知識
真っ白でオッドアイの白猫は日本にもいますが、血統書付きで「Khao Manee」と登録されているかどうかが純血カオマニーかどうかの大きなポイントになります。
- 愛情深く、人へのベッタリ度が高い
- 活発で遊び好き、好奇心旺盛
- おしゃべりで、鳴き声で気持ちをよく伝えてくる
- 中型サイズで動きは機敏だが、攻撃的になりにくい傾向
- とにかく人が大好きでよく甘えてくる
家族の行くところについて歩き、膝や枕元でくつろぐのが好きな子が多いです。「いつも誰かのそばにいたいタイプで、さびしさを感じさせない」といった声がよく挙がります。 - 遊び好きで、よく動くのに扱いやすいサイズ感
おもちゃへの反応がよく、追いかけっこや知育トイを楽しむ姿が印象的。「活発だけど中型サイズなので、大型種ほど場所をとらないのが助かる」という意見もあります。 - 白い毛並みと印象的な瞳がとにかく美しい
真っ白な被毛と、ブルーやグリーン、オッドアイの瞳のコントラストが写真映え抜群。「家にいるだけで“特別感のある猫”」「来客からの質問率が高い」という声が目立ちます。
- 人への依存度が高く、留守番が続くとストレスになりやすい
人懐っこい性格ゆえに、一人で過ごす時間が長いと退屈からイタズラが増えたり、大きな声で鳴いてアピールすることも。「在宅時間が少ない家庭には向かないかも」との声もあります。 - 白い被毛ならではの汚れやすさ・お手入れの手間
純白の毛は涙やけ・黄ばみが目立ちやすく、こまめな拭き取りやブラッシングが必要。「こまめなお手入れが好きな人には楽しいが、ズボラさんには少しハードルが高い」と感じる人もいます。 - 希少種ゆえに情報が少なく、相談できる相手が限られる
国内の飼育頭数が少ないため、日本語で詳しく書かれたブログや体験談がまだ少なめ。「困った時に参考事例が見つけにくい」「獣医さんにも初めての猫種と言われた」という不安の声もあります。
- 白いはずが“うっすらグレー”になる謎
朝シャンプーしたはずなのに、夕方には足先やお腹がうっすらグレーに…。潜り癖と床ゴロゴロの結果、「今日はどこで転がってきたの？」と毎回現場検証が始まる。 - 来客全員から「この目、ずるくない？」と言われる
オッドアイの子は特に、初対面の人から視線を独占。「片目ずつ色が違う！」「写真撮っていい？」とプチ撮影会が始まり、飼い主はいつの間にか広報担当に。 - 白背景で写真を撮ると同化しがち問題
ふわふわの白い布団やラグの上で撮影すると、輪郭が溶けて“目と鼻と耳だけ”状態に。コントラストを上げたり小物を置いたり、映える撮影研究が止まらない。 - 夜の廊下で“白い影”がスーッと動く
薄暗い中をすれ違うと、ふわっと白い影だけが横切るホラー演出。「あ、ごめんカオマニーだった」と毎回心の中で謝るのが日常になる。 - 毛づくろい後の“胸元よだれあと”が気になる
入念な毛づくろいをしたあとは、胸元あたりが少ししっとり。そこだけ毛並みがペタンとなって、「さっきまでそこ舐めてたでしょ？」とすぐバレてしまう。 - 窓辺の日差しで“白さの白目勝ち”
太陽光を浴びると、白い被毛がさらにまぶしく発光。窓辺でくつろぐ姿は、まるで小さな天使のようで、つい家事の手を止めて見入ってしまう。 - 掃除機との対決は“逃げない派”も多い
好奇心旺盛な子は、掃除機の動きをじっと観察して逃げないことも。「白いボディでぐいっと近づいてくるから、逆に掃除が進まない」という声もある。 - 白シャツとの境界線がわからなくなる
飼い主が白いTシャツを着てソファに座ると、カオマニーがぴたっと張り付いて同化。「遠目で見るとどこからが猫でどこからが服かわからない」と家族に笑われる。 - 名前候補が“雪”“ミルク”“パール”あたりに集中
お迎え時の名付け会議では、例外なく白にちなんだ名前が候補に。「いっそタイ語にしようか…？」と、由来を調べ始めて深夜まで盛り上がる。 - ブラッシング後のコロコロが真っ白になる快感
衣類ケア用コロコロをかけると、一瞬で真っ白なシートに。取れた毛を見て「こんなに抜けてるの！」と驚きつつ、なぜかちょっと達成感もある。
カオマニーは、タイ（旧シャム）原産の古い猫種で、その歴史は数百年前にさかのぼるといわれています。タイ語で「カオ」は白、「マニー」は宝石を意味し、その名の通り「白い宝石のような猫」として王族や貴族の間で大切にされてきました。タイには古くから『タムラ・マウ（Tamra Maew）』と呼ばれる猫に関する古文書が伝わっており、その中には白い猫で色の違う瞳を持つ“幸運の猫”の記述が登場します。これがカオマニーの祖先と考えられ、かつては王宮の中でのみ飼育されていたともいわれています。
長い間、カオマニーはタイ国内のごく限られた一部の家系で守られてきましたが、20世紀後半になってようやく海外へ目が向けられるようになります。1990年代にはタイからアメリカ合衆国へカオマニーが輸出され、欧米のブリーダーによる本格的な保存・繁殖プログラムがスタートしました。この時期、純血の系統を維持しながら健康面を重視した繁殖が進められ、現在知られているような「純白の被毛と多彩な瞳の色を持つ短毛種」としてのスタイルが整えられていきます。
その後、国際的な猫血統登録団体への申請が進み、TICAやCFA、WCFなどで順次公認猫種として認められるようになりました。現在でも頭数は決して多くはありませんが、「幸運を呼ぶ白猫」として世界各地の愛好家の注目を集め、ショーキャットとしてだけでなく、家庭で暮らすコンパニオンキャットとしても少しずつ広まりつつあります。一方で、遺伝的な多様性を守るために繁殖は慎重に行われており、大量生産されることはありません。その意味でも、カオマニーは“伝統と希少性を併せ持つ猫種”として、今も特別な存在であり続けています。
環境づくり
- 完全室内飼いを基本にし、日当たりの良い窓辺や高低差のあるキャットタワーなど、のびのび過ごせるスペースを用意する
- 真っ白な被毛と肌を守るため、直射日光を長時間浴び続けないようにし、夏場は直射日光を避けられる日陰も確保する
- 人との距離が近い猫種なので、家族の生活動線の近くにベッドやくつろぎスペースをつくり、「いつもそばにいられる」環境にすると安心
食事
- 活発でよく動く分、筋肉を維持できるよう良質なたんぱく質を含む総合栄養食をメインにする
- 中型で太りすぎると関節や内臓に負担がかかるため、体重と体型をチェックしながら量やおやつの頻度を調整する
遊び
- じゃらしやボールなど、動きのあるおもちゃで毎日しっかり遊ぶ時間をつくる
- 好奇心が強く頭もよいため、トンネルや知育トイ、かくれんぼ遊びなど“考える遊び”も取り入れて、ストレス発散と満足感をアップさせる
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載します。
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 先天性難聴（とくに青目・オッドアイ個体） | 白猫全般に見られるリスクで、片側または両側の難聴が生じる場合があります。日常生活に支障が出ないよう、早期に動きや反応を観察し、必要に応じて獣医師に相談することが大切です。 |
| 皮膚炎・日光過敏 | 白い被毛と色素の薄い皮膚は、強い紫外線の影響を受けやすく、日焼けや皮膚炎のリスクが高まります。直射日光を避け、異常な赤みやかゆみがないかこまめにチェックしましょう。 |
| 歯周病・口内トラブル | 多くの猫種で見られる一般的なリスクです。口臭や歯石の蓄積を放置すると、食欲低下や全身への負担につながることがあるため、定期的な歯のチェックや歯磨き・デンタルケアおやつなどで予防を意識します。 |
📊 平均寿命（一般例）：10〜13年前後
💡 健康維持のためには、定期的な健康診断（年1回以上、シニア期は年2回程度）と、適切な体重管理・歯のケア・皮膚と耳のチェックを習慣にすることが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | 日本ではおおよそ15万〜30万円前後（個体やルートにより7万〜28万円程度の例もあり） |
| 価格差の要因 | アイカラー（オッドアイ／ブルーなどの人気色）、血統やショータイプかどうか、輸入費用・為替、ワクチン・検査代、ブリーダーの評価など |
| 購入ルート | 国内の希少種ブリーダー、海外（タイ・欧米）のキャッテリーからの輸入、海外提携のある専門ペットショップ |
💡 選び方のコツ
カオマニーを選ぶときは、見た目だけでなく、親猫の性格や健康状態をしっかり確認することが大切です。信頼できるブリーダーは、遺伝性疾患への配慮やワクチン・健康診断の記録、場合によっては聴力検査の有無なども説明してくれます。子猫自身が人に対してどれくらい慣れているか、ケージや兄弟猫との接し方が落ち着いているかなどもチェックポイントです。遠方や海外から迎える場合は、輸送方法やアフターフォロー体制についても事前にしっかり確認しましょう。
朝、カーテンを開けると、白いシルエットがふわっと窓辺に浮かび上がります。光を受けてきらりと光るオッドアイの瞳。小さく鳴きながら足もとにすり寄ってきて、「今日も一日よろしくね」とあいさつしてくれているようです。
日中は家の中を探検したり、飼い主の後ろをついて歩いたり。リモートワーク中のキーボードの横にちょこんと座って、じっと画面を見つめる姿に思わず笑ってしまうことも多いはず。
夜は家族のそばでくつろぎモード。ソファに座れば膝の上、ベッドに入れば枕元と、距離の近さはかなりのものです。真っ白な被毛のおかげで、薄暗い部屋でもふんわりと浮かび上がるように見え、「うちには小さな白い天使がいる」と感じる瞬間が何度も訪れるでしょう。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
人懐っこく、攻撃性が低い子が多いため、猫とたくさん触れ合いたい初心者さんや、優しく接してくれる子どものいる家庭とは相性が良い猫種です。一方で、留守番が長く続く環境はストレスになりやすいため、共働きで長時間家を空ける家庭では、遊ぶ時間や一緒に過ごす時間を確保できるかどうかが重要なポイントになります。1人暮らしの場合も、在宅時間が長く「べったり付き合えるかどうか」がカギになります。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| シャム（サイアミーズ） | 活発でおしゃべり、人にベッタリだがやや気分屋な一面も | ：比較的入手しやすい公認猫種 | 運動量は多めだが、情報が豊富で飼育ノウハウも多く、環境が整えば飼いやすい |
| ターキッシュアンゴラ | 気品がありながら遊び好きで、やや繊細なマイペース気質 | ：ペットショップや一部ブリーダーで見かける程度 | 長毛のため被毛ケアは必要だが、性格的には家族に慣れれば飼いやすい |
| ペルシャ（チンチラ含む） | 穏やかでマイペース、抱っこよりゆったり過ごすのが好き | ：比較的よく見かける人気長毛種 | 長毛のブラッシングや涙やけケアが必須だが、運動量がさほど多くなく室内向き |
カオマニーって“真っ白ボディにキラキラおめめ”の猫さんなんだって？ ぼくのシルバーもかっこいいけどさ、その子たちのどこが一番の自慢ポイントなの？
しょうちゃんのシルバーも十分自慢だけどね。カオマニーは、頭からしっぽまでまっしろな毛と、宝石みたいにきれいな瞳が最大のポイントなんだよ。ゴールドやブルー、オッドアイまでいろんな目の色があって、白い毛とのコントラストがすごく印象的なんだ。
そんなキラキラさんだと、やっぱり性格も“高貴でクールです”って感じ？ それとも、ぼくみたいにパパちゃんストーカータイプ？
あカオマニーはね、見た目は上品だけど中身はかなりの甘えん坊が多いって言われてるよ。家族のあとをついて回ったり、膝の上でくつろいだり、おしゃべりも大好き。どちらかというと、しょうちゃん寄りの“かまってちゃん”タイプかな。
真っ白だと、お風呂とかお手入れが大変そうじゃない？ ぼくはお風呂キライだけど、白い毛をキープするにはやっぱりしょっちゅう洗われちゃうのかな…。
基本は短毛でお手入れはそこまで難しくないけど、白いぶん汚れや涙やけは目立ちやすいね。だから、毎日ちょっと目元を拭いてあげたり、定期的にブラッシングしてあげるのがポイントかな。シャンプーは体質に合わせて獣医さんと相談しながら、負担にならない頻度でいいと思うよ。
日本でも、そのカオマニーさんと会えるの？ ペットショップパトロールしてるけど、ぼくまだ見かけたことない気がするんだよね。
日本ではカオマニーはかなり希少な猫さんなんだ。普通のペットショップで出会えることは少なくて、専門店や海外ブリーダーさんからの輸入でやっと見つかる、っていうレベルかな。だから“いつか出会えたら超ラッキー”ぐらいのレア度なんだよ。
じゃあ、そのカオマニーさんと暮らすとしたら、どんな人に向いてるの？ ぼくレベルのさみしがりでも仲良くなれる？
カオマニーは、人と一緒にいる時間を大事にしてくれる人向きだね。家にいる時間が長くて、たくさん話しかけたり遊んだりできる人とは相性がいいと思うよ。逆に、留守番が多いお家だと、さびしくてストレスになっちゃうかもしれないから、そのあたりは迎える前にしっかり考えてあげたいところだね。
カオマニーは、真っ白な被毛と宝石みたいな瞳を持つ、とても特別な雰囲気の猫だけど、中身は人が大好きな甘えん坊なんだ。たくさん一緒の時間を過ごしてあげられるお家なら、“見てうっとり、触れてほっこり”な存在になってくれるはず。日本ではまだ出会うチャンスが少ない希少種だからこそ、迎えるときはブリーダーさん選びや健康チェック、生活環境の準備までしっかり整えて、この白い宝石のような猫との毎日を、大切に積み重ねていきたいね。
