オーストラリアン・ミストは、その名の通り「霧(ミスト)」がかかったような柔らかい模様が魅力の、オーストラリア原産の猫種です。
人と一緒に室内で暮らすことを目的に作出された経緯があり、穏やかで人懐っこく、子どもや他のペットにも寛容な“理想の室内猫”と言われることも。日本ではまだかなりレアな存在ですが、性格面を見ると初心者さんや家族暮らしにも向きやすい猫種です。
ここでは、日本の一般家庭で暮らすことをイメージしながら、オーストラリアン・ミストの特徴や性格、飼い方のポイントをまとめます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | オーストラリア(唯一のオーストラリア原産の公認純血猫種) |
| 毛の長さ | 短毛(ショートヘア/セミフォーリンタイプ) |
| カラー | ブラウン・ブルー・チョコレート・ライラック・シナモン・フォーン・キャラメル・ゴールド・ピーチなど、主に暖色系 |
| 模様パターン | スポッテッド(斑点)/マーブル(マーブルタビー)。全体に霧がかったティッキング入り |
| 体重 | オス約4〜6kg/メス約3〜5kg(中型・セミフォーリン体型) |
| 性格 | 穏やかで人懐っこく、甘えん坊。我慢強くて室内生活向き |
| 寿命(一般例) | 14〜17年程度(文献上は12〜18年と幅あり) |
| 公認団体 | TICA・GCCF・ACF・WNCA(CFA/FIFeは未公認) |
| 入手難易度(日本) | ★4:かなり困難(ブリーダー少数・ショップ流通ほぼなし) |
💡特徴
オーストラリアン・ミストは、中型で筋肉質ながら丸みのあるシルエットを持つセミフォーリン体型。頭はやや丸みを帯び、中くらいの大きさの顔に大きなグリーン系の目が印象的です。耳は中〜やや大きめで先端が丸く、全体として「優しく開いた顔立ち」に見えるのがポイント。
被毛は短くシルキーで、地色の上にスポットまたはマーブル模様が入り、その上からティッキングがかかることで“霧がかかったような”独特のコートに。手足や尻尾には縞やリング、顔にはタビーラインが入り、上品でやわらかな雰囲気を漂わせます。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 一部の専門店でごく稀に扱う可能性あり | |
| ブリーダー | 国内の専門キャッテリー、海外ブリーダーからの輸入 | |
| 里親募集 | 保護団体では見た目が似た雑種が中心 |
💬 解説
日本では、オーストラリアン・ミストを店頭で見かけることはほぼなく、実質的にはブリーダー経由での入手が前提になります。国内には少数のキャッテリーがあり、タイミングによっては子猫が募集されますが、予約待ちになることも多いとされています。
価格は子猫で20〜30万円前後が一つの目安。ただし、流通頭数が少ないためブリーダーや毛色、血統によって上下する可能性があり、事前にしっかり見積もりや条件を確認しておくと安心です。
里親・保護猫ルートでは、キジトラやスポット柄など、見た目が似た雑種の猫はよく見られるものの、血統書付きのオーストラリアン・ミストとして募集されるケースは極めて稀と考えられます。
💡 豆知識
外見がそっくりでも、血統書がなければ正式には「オーストラリアン・ミスト」とは言いません。とはいえ、スポット模様+おっとり穏やか性格の日本猫もたくさんいるので、「うちの子はミスト風!」と愛でる楽しみ方もアリです。
- 物静かで落ち着いているが、人懐っこく甘えん坊
- 子どもや他のペットにも寛容で、我慢強く付き合える
- 室内生活に向いた、穏やかで“マイペース寄り”の遊び好き
- 鳴き声が控えめで、攻撃性も低い
- 物静かで落ち着いた性格だが、人懐っこくて甘えん坊。膝に乗ってくつろぐ時間が長く、「理想の室内猫」と感じる。
- 子どもやほかのペットにも寛容で、しつこくされても我慢強く付き合ってくれるため、ファミリー世帯でも安心して迎えられる。
- 鳴き声が大きすぎず、攻撃性も低いので、マンションなどの集合住宅でも暮らしやすいと感じる飼い主が多い。
- 人と一緒にいることが大好きなぶん、長時間の留守番が続くと寂しさからストレスを感じやすく、構う時間をしっかり取る必要がある。
- 比較的運動量は穏やかだが、食欲旺盛な子も多く、運動不足になると太りやすい。肥満やそれに伴う病気に注意が必要。
- 日本ではブリーダーや情報源が少なく、病気の知見や万一の相談先を探すのに苦労した、という声もある(特に地方在住の飼い主)。
- ソファのへりは“指定席”
テレビの前よりソファの背もたれが好き。ちょこんと座って家族を観察していて、気づけば人間はテレビよりミストの表情ばかり追ってしまう。 - 膝の上は早い者勝ち
誰かが座った気配を察すると、すかさず膝へジャンプ。いちばん長く座っている人の膝は、いつの間にかオーストラリアン・ミスト専用シートになる。 - 掃除機より“コロコロ”が好き
抜け毛は比較的少なめだけど、撫でられるついでのコロコロタイムが大好き。気持ちよくて、自分からゴロンと転がってくることも。 - 窓際まったりパトロール隊
外へ出るより窓からの観察派。鳥や人の往来をじっと眺めて、「今日は平和だニャ」とでも言いたげな落ち着いた表情を見せる。 - 遊ぶときだけスイッチ全開
ふだんはおっとりなのに、おもちゃを出した瞬間に豹変。ジャンプとダッシュを披露して、あっという間に息が上がるのは人間側。 - テーブルの上より“人の隣”
高いところに登るより、ソファやベッドで人のすぐ横にぴったり密着。読書やスマホの腕にそっともたれてきて、「休憩タイムにしようよ」とアピール。 - 来客チェックは丁寧接客スタイル
人懐っこい子だと、来客にもスッと近づいてご挨拶。ほどよい距離感でスリスリし、「この家の接客担当はボクです」とアピールしてくる。 - 撫でスイッチは頬のあたり
頬や首元を軽く撫でると、一気にゴロゴロ音量アップ。気持ちよくなるとそのまま膝の上で寝落ちし、しばらく身動きが取れなくなる。 - 夜の大運動会は“ほどほど”
夜中の爆走はあまりせず、人の寝る時間に合わせて一緒に就寝。ときどきベッドにそっと乗ってきて、「ここで寝てもいい?」と遠慮がちに丸くなる。 - 写真映えより“現物勝ち”
写真だと地味に見えがちなミスト模様も、実物はふんわりした霧のような質感で魅力倍増。結局「写真じゃ伝わらないんだよね」と飼い主が力説することに。

オーストラリアン・ミストは、1970年代後半のオーストラリアで計画的に作出された、比較的新しい猫種です。ブリーダーのトルーダ・ストレーデ博士が「人と暮らすのに向いた、温和で人懐っこい室内猫」をコンセプトに掲げ、1977年ごろから交配計画をスタートしました。
交配に使われたのは、ヨーロピアンタイプのバーミーズ、アビシニアン、そしてオーストラリア在来のスポッテッドタビー猫たち。バーミーズからは人懐っこさと穏やかな気質、アビシニアンからはティッキング(毛先の縞模様)と活発さ、在来タビーからはスポット模様や丈夫さが受け継がれ、現在の「霧がかったスポット/マーブル模様」のコートと穏やかな性格が作り上げられました。
当初は、その被毛の特徴から「スポッテッド・ミスト」と呼ばれていましたが、のちにマーブル模様も認められるようになったため、より包括的な名称として「オーストラリアン・ミスト」に改名されます。1980年代にはオーストラリア国内の猫登録団体でチャンピオンシップステータスを獲得し、同国を代表する猫種としての立ち位置を確立しました。
その後、TICA(The International Cat Association)やオーストラリアの主要団体ACF、イギリスのGCCFなどで相次いで公認され、「オーストラリア唯一の公認純血猫種」として世界の猫愛好家にも知られるようになっていきます。
日本では、猫種図鑑やペット保険サイト、ブリーダーの紹介ページなどで少しずつ名前が登場するようになった段階で、実際の頭数はまだ少なめ。「知る人ぞ知るレアキャット」ですが、人懐っこく穏やかな性格と室内向きのコンセプトから、今後ゆっくりとファンを増やしていくと考えられます。
環境づくり
- 室内生活が前提なので、リビングなど家族の集まる場所にベッドや爪とぎ、キャットタワーを配置して「人の近くが安心できる場所」になるようにする。
- 高さより“居心地”重視の子も多いので、窓辺のベッドやソファ横のクッションなど、落ち着けるスペースを複数用意する。
- 留守番時間が長い家庭では、知育おもちゃや隠れ家、ステップなど「ひとりでも退屈しない仕掛け」を取り入れる。
食事
- 活動量は中程度だが太りやすい子もいるため、年齢や体重に合わせた総合栄養食を基本に、給餌量を守る。
- フードは量を決めて1日2〜3回に分けて与え、間食(おやつ)はカロリーを計算しつつご褒美程度に抑える。
遊び
- じゃらしやボールなど、追いかけたりジャンプしたりできる遊びを毎日10〜15分×数回行う。
- 追いかけっこ一辺倒ではなく、フードパズルやトンネル遊びなど、頭と体の両方を使う遊びを取り入れると満足度アップ。
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥満・生活習慣病 | 穏やかで食欲旺盛な子だと、運動不足から体重が増えやすい。肥満は糖尿病・関節疾患などのリスクも上げるため、食事量と運動のバランス管理が重要。 |
| 歯周病・口腔トラブル | 年齢とともに歯石や歯肉炎が起きやすく、放置すると痛みや食欲低下の原因に。若いうちから歯みがきやデンタルケアおやつで予防したい。 |
| 腎臓病・心疾患など加齢性疾患 | 高齢になると、慢性腎臓病や心筋症などのリスクが高まる猫が多い。定期健診での血液検査・心エコーなどで早期発見を心がける。 |
📊 平均寿命(一般例):14〜17年程度
💡 長く健康に過ごしてもらうためには、年1回(シニア期は半年に1回ほど)の健康診断と、日々の体重・食欲・排泄のチェックが大切です。「いつもと違う」と感じたら、早めに動物病院に相談するようにしましょう。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | 20万〜30万円前後(国内流通が少なく、ブリーダーにより幅あり) |
| 価格差の要因 | 血統(チャンピオンラインかどうか)、毛色・模様、性別、ワクチン・健康診断・避妊去勢の有無、輸入か国内繁殖か |
| 購入ルート | 国内の少数キャッテリー、海外ブリーダーからの輸入、ブリーダー紹介サイト経由 |
💡 選び方のコツ
見た目の可愛さだけでなく、
- 親猫の性格(人懐っこさ・攻撃性の有無)
- 遺伝性疾患に対する検査や健康管理の方針
- 飼育環境の清潔さ・におい
- 説明の丁寧さ(フード・ワクチン・保険など)
といった点をチェックしましょう。特にレアな猫種ほど「近くに相談できる相手」が重要になるので、迎えたあとも気軽に相談できるブリーダーかどうかを重視すると安心です。
オーストラリアン・ミストとの一日は、とても“おうち時間寄り”です。朝、飼い主が起きる気配を感じると、ベッド脇や枕元にそっとやってきて、喉をゴロゴロ鳴らしながら「おはよう」のご挨拶。忙しい支度の時間も、ソファの背もたれやダイニングチェアからじっと見守りつつ、ときどき足元にスリッと寄ってきます。
日中は、窓辺で外を眺めたり、ソファのへりに座って家族の様子を観察したり。激しい大運動会をするよりも、短い遊びを何回か挟みながら、ゆったりとした時間を一緒に過ごすイメージです。夜になると、テレビを見ている飼い主の膝の上に自ら乗ってきて、そのままウトウト。寝る時間になれば、ベッドの端や足元に丸くなって、「今日も一日、一緒にいてくれてありがとう」と言っているかのような穏やかな空気が流れます。

| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
穏やかで攻撃性が低く、しつけもしやすいので、初めて猫を迎える人や、子どもがいるご家庭でも暮らしやすい猫種です。一方で、人とのスキンシップを好むため、長時間完全にほったらかしになる環境はやや不向き。テレワークや在宅時間が長めの一人暮らしなら、とても良いパートナーになってくれます。
※比較表にはオーストラリアン・ミストのデータは入れず、似た特徴を持つ3品種を例として記載します。

ママちゃん、オーストラリアン・ミストって“おうちで暮らすために作られた猫”って聞いたんだけど、本当?ぼくもけっこうインドア派なんだけど…。

うん、本当だよ。オーストラリアン・ミストは、人と一緒にのんびり暮らすために作出された猫さんなの。穏やかで人懐っこくて、室内でまったり過ごすのが得意だから、ゆうまさんみたいな“おうち大好き猫”とは相性が良さそうね。

性格はどうなんだろ…?ぼくは人見知りだけど、好きな人にはベッタリしたくなるタイプで…。オーストラリアン・ミストさんもそんな感じ?

わりと近いかも。物静かで落ち着いているけど、人懐っこくて甘えん坊な子が多いって言われているよ。膝の上でくつろぐのが好きで、でもガチャガチャ騒ぐタイプではないから、ゆうまさんみたいに“限られた相手と深く仲良くなりたい”猫ちゃんとは、ペースが合うと思うな。

日本ではあんまり聞かない名前だけど、どれくらいレアなの?ぼく、近所で見たことないかも…。

日本ではまだかなり珍しくて、ブリーダーさんもすごく少ないの。ペットショップで見かけることはほとんどなくて、基本はキャッテリーからお迎えする形になるね。だから、お散歩中に出会えたらかなりラッキーなレベルかも。

レアってことは、お値段もすごく高そう…ぼく、おやつ減らされたりしないかなぁ?

ふふ、大丈夫。だいたい20〜30万円くらいが目安って言われているけど、流通が少ないから幅はあるの。レアだからこそ、価格だけじゃなくて、育て方や健康管理を丁寧に教えてくれるブリーダーさんを選ぶことが大事だね。おやつは…それはまた別問題かな。

もし一緒に暮らしたら、ぼくの“枕の間定位置”とられないかな?おっとり同士で仲良くできるかな…。

オーストラリアン・ミストは他の猫とも穏やかに付き合える子が多いから、ゆうまさんとはゆったりペースで仲良くなれそうだよ。ただ、どちらも甘えん坊さんだから、ママとパパの膝や枕の取り合いにはならないように、みんなで順番を決めないとね。

オーストラリアン・ミストは、「人と一緒におうちで過ごす」ことを前提に作られた、とても穏やかで人懐っこい猫さんです。派手に走り回るより、家族のそばでまったりくつろぐ時間を大切にするタイプなので、室内生活中心の家庭にぴったり。ただし、日本ではまだレアな猫種なので、出会いや情報集めには少し時間がかかるかもしれません。その分、迎えられたら特別な“おうちの宝物”になってくれるはずです。

