神秘的な伝説を持ちながら、性格はとても穏やかで人懐っこい――そんなギャップが魅力のバーマン。青いサファイアのような瞳と、ポイントカラー＋白いおてて（グローブ）が印象的な“ビルマの聖猫”です。ここでは、日本の飼い主さん目線で、性格・見た目・入手難易度・飼い方のコツまでをまとめてご紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | フランス（ビルマ寺院の猫の伝承をルーツにもつヨーロッパ発祥の改良種） |
| 毛の長さ | セミロング（絹のようになめらかなシングル〜やや薄めのダブルコート） |
| カラー | シール、ブルー、チョコレート、ライラック、レッド、クリーム、トーティなどのポイントカラー＋白い足先 |
| 模様パターン | カラーポイント＋ホワイト（前足の「グローブ」、後ろ足の「レース」）。一部でタビーポイントなども認められる |
| 体重 | オス約4.0〜6.0kg／メス約3.0〜5.0kg（中型で骨太・筋肉質） |
| 性格 | 穏やかで甘えん坊、人懐っこく社交的だが騒がしすぎないマイペースな一面も |
| 寿命（一般例） | 約12〜16年（文献上は10〜15年・12〜16年など。一般的な家庭猫と同程度） |
| 公認団体 | CFA・TICA・FIFe・GCCF などで公認 |
| 入手難易度（日本） | ★3〜4程度（やや希少〜かなり希少） |
💡特徴
バーマンは、中型でややがっしりとした体つきに、ふわりとしたセミロングコートをまとった長毛種です。丸みのある顔立ちと中くらいの耳、そしてサファイアブルーの大きな瞳が印象的。顔・耳・四肢・しっぽにはシャムのようなポイントカラーが入り、足先には純白の「手袋」と「靴下」のような白いマーキングが必ず入ります。被毛はペルシャほど重くはなく、さらっとして絡まりにくいとされ、上品なボリューム感を保ちつつ、お手入れのしやすさも両立しているのが特徴です。全体として「神秘的だけれど、どこか親しみやすい」柔らかな雰囲気をまとった猫と言えるでしょう。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 大手ペットショップの一部店舗、提携ブリーダーからの紹介 | |
| ブリーダー | 国内のバーマン専門・長毛種ブリーダー、キャッテリー | |
| 里親募集 | 一般保護団体・里親募集サイト（主に「バーマン風」ミックス） |
💬 解説
日本では、バーマンはペルシャやラグドールほどメジャーではなく、猫種解説でも「頭数は少なめ」と紹介されることが多い猫種です。
ペットショップでの取り扱いは限定的で、常時見るというより「たまに入るレア枠」という位置づけ。実際には、バーマン専門または長毛種に強いブリーダーから迎えるケースが中心で、ブリーダーサイトや猫種別の紹介ページでも登録件数は多くありません。
里親・保護猫ルートで「血統書付きバーマン」に出会える可能性はかなり低く、主に長毛ポイント模様のミックスが「バーマン風」として紹介される程度です。純血を希望する場合は、ブリーダー経由での計画的な探し方が現実的になります。
💡 豆知識
バーマンの白い「手袋」模様はショーでは左右の形・長さも審査対象になるほど重要なポイントで、「左右ほぼ対称」が理想とされています。
- 穏やかでやさしい性格
- 人懐っこく、家族に寄り添う甘えん坊
- 鳴き声はやわらかめで、静かにおしゃべりするタイプ
- 運動量は適度で、激しすぎない遊びが好き
- とにかく穏やかで人懐っこく、家族が動くところには静かに後ろからついてくる「控えめストーカー」タイプという声が多い。抱っこやナデナデにもよく付き合ってくれ、長毛種の中では比較的扱いやすい存在と感じる飼い主が多い。
- 鳴き声は大きすぎず、柔らかいトーンでよくおしゃべりするタイプが多いとされる。「文句も甘えも、全部ソフトな声で伝えてくるからつい甘やかしてしまう」という感想も。
- ポイントカラーと白い手袋、青い瞳の組み合わせがとても写真映えするため、「SNSにアップすると『この猫種なに？』と必ず聞かれる」「来客からの話題の中心になる」といった“自慢の存在”になっているという声。
- 甘えん坊な分、一人の時間が長くなると退屈からイタズラに走る子もいる。「普段は大人しいのに、かまってもらえない日が続くと棚の上を探検し始める」といった報告もあり、多忙な家庭では意識的な遊び時間の確保が必要。
- 太りやすい傾向があり、ついおやつをあげ過ぎるとすぐにお腹まわりに現れるという声が多い。肥満は糖尿病や関節・心臓への負担にもつながるため、定期的な体重チェックとフード量の管理が重要とされる。
- 日本ではまだ頭数が少なく、近くにバーマン飼いの仲間がいない・情報が集めにくいと感じるオーナーもいる。特に地方では、バーマンに詳しいブリーダーや獣医師を探すのに時間がかかるケースがあるという声も。
- 白い手袋、汚さないように…は飼い主だけの心配
真っ白なおててがチャームポイントなのに、本人は気にせず砂やホコリの上もすたすた歩く。人間だけが「うわ、そこ通った!?」とハラハラしている。 - ソファの端っこは“観音様ポジション”
家族が集まると、なぜかソファの真ん中ではなく端っこで上品に香箱座り。気づけばみんなの視線がそこに集まって、ちょっとしたご本尊扱いになる。 - 追いかけっこより“後ろから同伴”派
ダッシュで走り回るというより、飼い主の数歩うしろをトコトコついてくるタイプ。「急げばついてくる、止まれば一緒に止まる」絶妙な距離感がかわいい。 - ブラッシングの時間がなぜか“瞑想タイム”
ブラシをかけ始めると、目を細めてほぼ動かなくなる子多数。気づけば人間も無心でとかし続けていて、ふたりとも時間を忘れてしまう。 - 寝顔だけはどんな場所でも大物感
洗濯カゴの隅、段ボールの中、妙にせまい棚の上…。どんなところで寝ていても、ふわふわの毛と白いおててのおかげで“寝姿がやたら尊い”と言われがち。 - ごはん前のアピールは静かに粘着
大きな声で鳴くのではなく、キッチンの入口付近でじっと見つめ続けるタイプ。視線の圧だけで「そろそろですけど？」と伝えてくる。 - 写真だとふんわり感が半分になる問題
実物はもっとふわふわで存在感があるのに、写真に撮るとなぜかちょっと細く見えてしまう。「この子、実物の方が数倍かわいいのに…」が飼い主の口癖。 - おもちゃより“人の手”が好きだったりする
高価な猫じゃらしよりも、人の指をちょいちょい触ったり、手のひらに顔を押しつける遊びの方がお気に入り。最終的におもちゃは放置されがち。 - 来客にも“いきなり信頼モード”発動
警戒するかと思いきや、初対面の人の足元でゴロンと転がり「撫でていいですよ」とばかりにお腹を見せる子も。むしろ人見知りなのは飼い主側というパターンも。 - 長毛の割に抜け毛掃除が楽でびっくり
見た目はもふもふなのに、意外と毛が舞い散りにくいタイプも多い。覚悟してコロコロを買い込んだら、「あれ、思ったより楽かも？」と拍子抜けする飼い主も。
バーマンは「ビルマの聖猫」とも呼ばれ、ビルマ（現ミャンマー）の寺院にいた神聖な猫にまつわる伝説を背景にもつ猫種です。金色の女神を祀る寺院で、僧侶とともに暮らしていた白い猫が、ある日寺を襲った盗賊から僧侶を守ろうとし、その瞬間に毛色が黄金色に変わり、瞳が青くなった――といった物語が欧米で広まりました。
実際の血統としての発祥はフランスとされ、20世紀初頭にビルマからヨーロッパへ渡った猫と、当時の長毛猫（ペルシャ系など）との交配により、現在のようなポイントカラーと白い手袋を持つ姿が作出されたと考えられています。第一次世界大戦・第二次世界大戦の影響で頭数が激減し、一時はごく少数の個体だけが生き残ったと言われるほどですが、戦後に残された基礎猫をもとに慎重な繁殖が行われ、品種としての復興が進みました。
フランスやイギリスでの改良を経て、1950〜60年代には「Birman」としてヨーロッパの主要猫登録団体に公認され、その後アメリカにも輸出されます。アメリカでは1960年代にCFAが公認し、現在はCFA・TICA・FIFe・GCCFなど多くの団体でショーキャットとして認められています。
日本には欧米からの輸入を通じて少しずつ紹介され、ペットメディアやブリーダーサイトを通じて「神秘的な見た目と、穏やかで飼いやすい長毛種」として徐々に知名度を上げてきました。とはいえ、今でもペルシャやラグドール、ノルウェージャン・フォレスト・キャットなどの人気長毛種ほど頭数は多くなく、「ちょっと通好みの長毛猫」というポジションにいる猫種です。
環境づくり
- 完全室内飼育が基本。落ち着いて過ごせるお気に入りのベッドや隠れ家スペースを用意する。
- 窓辺のキャットタワーやステップを設置し、適度に上下運動できる環境を作る。
- 長毛でも暑がりな子もいるため、夏場はエアコンやひんやりマットなどで温度管理を意識する。
食事
- 太りやすい体質と言われるため、年齢・体型に合った総合栄養食を「適量」を守って与える。
- 間食・おやつはごく少量にとどめ、体重が増えてきたら早めにフード量・カロリーを見直す。
遊び
- 激しい運動よりも、「じゃらしを追いかける」「ボールを転がす」など中強度の遊びをこまめに行う。
- 飼い主とのコミュニケーションが大好きな猫種なので、「一緒に遊ぶ時間」を毎日少しでも確保してストレスを溜めないようにする。
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気の一例
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥大型心筋症（HCM） | 純血種を中心に見られる代表的な心臓病。心筋が厚くなり、放置すると心不全や血栓の原因になることも。定期的な健康診断と、必要に応じて心エコー検査で早期発見を心がけたい。 |
| 慢性腎臓病 | 高齢猫に多く見られ、飲水量・尿量の変化や体重減少として現れることが多い。バーマン固有というより、猫全般で注意したい病気として、若い頃から水分摂取と年1回以上の血液検査を意識したい。 |
| 肥満関連疾患 | 運動量が少なく甘えん坊な性格から、ついおやつを与え過ぎて肥満になりやすい傾向がある。肥満は糖尿病・関節炎・心臓病など多くの病気のリスクを高めるため、日頃の食事管理と体重チェックが重要。 |
📊 平均寿命（一般例）：約12〜16年
💡健康維持のためには、定期的な健康診断（年1回〜、高齢期は年2回）、適正体重の維持、ブラッシング時のスキンチェックなどが大切です。「長毛だけど扱いやすい」と言われるバーマンでも、毛玉・皮膚トラブルの早期発見のために日々のケア時間を習慣化しておくと安心です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | 約12〜30万円前後。希少カラーやショータイプでは30〜40万円近くになるケースも。 |
| 価格差の要因 | 親猫の血統（ショー歴）、カラーやグローブの形の美しさ、月齢、避妊去勢・ワクチン・マイクロチップの有無、輸入個体かどうか 等 |
| 購入ルート | 国内ブリーダー・キャッテリー、専門性の高いペットショップ、場合によっては海外ブリーダーからの輸入など |
💡 選び方のコツ
- 親猫の健康検査（心疾患・腎疾患など）やワクチン歴、飼育環境を必ず確認し、「健康第一」で選ぶ。
- 子猫の時点で極端に怖がりすぎないか、人との触れ合いを楽しめているかなど、性格面も重視する。
- グローブの形やカラーだけにこだわり過ぎず、ブリーダーとの相性やアフターフォローの有無もポイントにすると安心。
朝、飼い主さんが起き上がると、ベッドの端や足元で丸くなっていたバーマンが、のび〜っと伸びをして静かに後ろからついてきます。キッチンで朝ごはんの準備をしていると、入口付近にちょこんと座り、やわらかい声で小さく一言。強く主張はしないのに、「そろそろぼくのごはんも…」という気持ちが視線からじんわり伝わってきます。
日中はお気に入りの窓辺やソファの端で香箱座りし、家族の様子をのんびり観察。休憩がてらブラッシングを始めると、目を細めて身を委ねてくれるので、人の方もつい時間を忘れてしまうほどです。夜になれば、ベッド周りに自然と集まり、枕元や足元でそれぞれの定位置に落ち着いて一緒に就寝。派手さはないけれど、毎日の生活の“静かな真ん中”に寄り添ってくれる――そんなイメージの猫種です。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
大人しく穏やかな性格で、長毛の中ではお手入れもしやすいため、初めて長毛種を迎える人にも比較的向いています。一方で、甘えん坊で人との触れ合いを好むため、完全放置になってしまうほど忙しい家庭よりは、「毎日少しは一緒に過ごす時間が取れるおうち」との相性が良い猫種です。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| ラグドール | とても穏やかで抱っこ好き。ややのんびり屋。 | 長毛だが温厚で初心者にも人気 | |
| ラガマフィン | 人懐っこく社交的で、家族にベッタリな傾向。 | 抱っこ・スキンシップ好きで室内向き | |
| ノルウェージャン・フォレスト・キャット | 活発で好奇心旺盛、適度に自立心もある。 | ダイナミックな運動スペースがある家向き |
ママちゃん、バーマンさんって“ビルマの聖猫”って呼ばれてるんだよね…。なんだかすごく気高そうだけど、ぼくみたいにソファの下に隠れてるタイプとも仲良くしてくれるのかな？
名前はとっても格好いいけど、中身はけっこう穏やかでやさしい子が多いんだよ。人の近くが好きだけど、ぐいぐい来るというより、静かに寄り添う感じの子も多いから、ゆうまさんみたいな“そっと距離をとりたい派”とも、ゆっくりペースを合わせてくれそうだと思うな。
あの白いおてて、すごくきれいだけど…ぼく、ついちょんちょん触りたくなりそう。あれって、触っても怒られないの？それとも修行中のお坊さんみたいに厳しいのかな…。
ふふ、あの白い手袋みたいなおてては、見ているだけで触りたくなるよね。でも、性格は厳しいというより“包容力があるお兄さん・お姉さん”ってイメージかな。もちろん、いきなりガシッと掴まれるのは苦手だけど、そっと優しく触る分には、きっと気持ちよさそうにしてくれると思うよ。
日本ではあまり見かけないって聞いたけど、ペットショップのガラスの向こうで会えることもあるの？それとも、ほとんどが遠いところからやって来る特別な猫さんなのかな…。
バーマンは、日本だとやっぱり少しレアな猫さんなんだ。ペットショップで会えることもゼロではないけど、頻繁に見るタイプではなくて、どちらかというとブリーダーさんから迎える子が多いみたい。だから、本物に会えたらかなり貴重なご対面って思っていいかもしれないね。
長毛さんって、お手入れが大変そうでちょっと心配…。ぼくはブラッシング好きだけど、バーマンさんは毎日ブラッシングしないと、あのふわふわが大変なことになっちゃう？
ペルシャみたいな超もこもこタイプと比べると、バーマンの毛は少し軽くて絡まりにくいって言われているよ。でも、定期的なブラッシングはやっぱり大事。週に数回、ゆっくりとかしてあげると毛玉予防にもなるし、スキンシップにもなるから、ゆうまさんみたいにブラシ好きな子ならむしろ得意分野かもね。
もし一緒に暮らしたら、ぼくがいつものようにベッドのまくらの間で寝ていても、バーマンさんは場所を譲ってくれるかな…。それとも、一緒にぎゅっとくっついて寝るタイプ？
バーマンは、人のそばで寝るのが好きな子が多いから、きっとベッド周りにも自然に集まってくると思うよ。ゆうまさんの“まくらの間”はそのまま大事にしてもらいつつ、バーマンさんは足元や横で一緒にぬくぬく…みたいな分担ができるといいね。みんなが安心して眠れるように、パパとママも寝る場所の配置を工夫してあげるよ。
バーマンは、神秘的な伝説と青い瞳、白い手袋のようなおててを持ちながら、性格はとても穏やかで人に寄り添う優しい長毛猫さんです。日本ではまだ頭数が多くはなく、出会いのチャンスも限られていますが、そのぶん一緒に暮らせたときの特別感は格別。長毛の中ではお手入れもしやすく、家族との静かな時間を大切にしたいおうちにぴったりの猫種と言えます。ゆうまさんのような慎重派の先住猫がいるおうちでも、お互いのペースを尊重して環境を整えてあげれば、ふんわり穏やかな毎日を一緒に過ごせる良きパートナーになってくれるはずですよ。
