「猫エイズ」でも長生きできる?寿命や治療費、外猫と触れ合った時のリスクを、飼い主が知っておくべきこと

「猫エイズ」という言葉を聞くと、どうしても「不治の病」「怖い病気」というイメージが先行してしまいますよね。 「治らないの?」 「発症すると、口内炎がひどくなってご飯が食べられなくなるって本当?」 「うちの子や家族にうつる?」

特に、外で野良猫ちゃんを撫でて帰宅した時、「この手でうちの子を触っても大丈夫かな?」と不安になった経験がある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

こんにちは、にゃんトピのパパちゃんです。 わが家の「しょうすけ」と「ゆうま」は完全室内飼いでFIV(猫エイズ)陰性ですが、僕たちが外出した際のリスクについては、正しく理解しておきたいと思っています。

今回は、誤解されがちな「猫エイズ」の正体や、感染後の**「3つのステージ(病気の進行)」**、そして万が一の時の治療費について、にゃんトピの頼れるアドバイザー・猫実(ねこざね)先生に詳しく教えてもらいます。

「エイズ=すぐ死ぬ」ではありません。 正しい知識を持ち、愛猫を感染リスクから守るための具体的なアクションを知りましょう。


そもそも「猫エイズ(FIV)」ってどんな病気?【猫実先生の解説】

パパちゃん: 「猫実先生、よろしくお願いします。『エイズ』という名前のインパクトが強すぎて怖いんですが、体の中では一体何が起きているのでしょうか?」

猫実先生: 「パパちゃん、こんにちは。まずは冷静に敵の正体を知りましょう。 猫エイズ(FIV:猫免疫不全ウイルス感染症)は、その名の通り、猫ちゃんの『免疫(体を守る力)』をウイルスがじわじわと壊してしまう病気です。」

免疫の「ガードマン」がいなくなる病気

猫実先生: 「猫ちゃんの体を『お城』だと思ってください。普段は『免疫』というガードマンが、外敵(風邪菌や細菌)からお城を守っています。 しかし、猫エイズウイルスはこのガードマンを攻撃し、数を減らしてしまいます。

ガードマンがいなくなったお城は、普段なら簡単に追い払えるような弱い敵(ちょっとした風邪や口内炎の菌など)にも勝てなくなってしまいます。 これが『免疫不全』の状態です。」

感染=すぐ死ぬわけではない(潜伏期間の長さ)

パパちゃん: 「感染したら、すぐにガードマンがいなくなって弱ってしまうんですか?」

猫実先生: 「いいえ、そこがこの病気の大きな特徴です。 感染してから、実際に命に関わる状態(エイズ発症)になるまでには、数年〜10年以上かかることも珍しくありません。 進行は非常にゆっくりなので、『感染=即、死』ではないことをまずは覚えておいてください。」


いつ、どんな症状が出るの?感染後の「3つのステージ」

ママちゃん: 「10年も?そんなに長い間、症状は出ないんですか? いつ、どんな症状が出るのか、経過を教えてください。」

猫実先生: 「猫エイズは、感染してから生涯を終えるまで、大きく分けて**3つの段階(ステージ)**を辿ります。それぞれの時期の特徴を見ていきましょう。」

【第1段階】急性期(感染初期):風邪のような症状

猫実先生: 「感染してから数週間〜数ヶ月後に訪れる最初のステージです。

  • 症状: 発熱、リンパ節の腫れ、軽い下痢など。
  • 特徴: 『あれ?ちょっと風邪ひいたかな?』程度の症状が出て、治療しなくても数週間で自然に治ってしまうことが多いです。

そのため、飼い主さんが感染に気づかないままスルーしてしまうことが多い時期でもあります。」

【第2段階】無症候キャリア期(潜伏期):見た目は健康そのもの

猫実先生: 「急性期が過ぎると、この長い『潜伏期』に入ります。

  • 期間: 数年〜長ければ10年以上続くことも。
  • 症状: 『無症状』です。
  • 特徴: ウイルスは体内に潜んでいますが、猫ちゃんは元気いっぱいで食欲もあり、健康な猫と全く変わりません。

この期間をいかに長く維持するかが、長生きのカギです。 ストレスのない生活を送ることで、一生このステージのまま(発症せずに)天寿を全うする子もたくさんいます。」

【第3段階】エイズ発症期:免疫崩壊と「難治性口内炎」

猫実先生: 「免疫機能が限界を超えて低下し、いよいよウイルスが暴れだす時期です。

  • 代表的な症状(口内炎): 最も多く、猫ちゃんを苦しめるのが**『治らない口内炎』**です。口の中が真っ赤にただれ、痛みでよだれが出て、お腹が空いているのにご飯が食べられなくなります。
  • その他の症状: 鼻水が止まらない、傷が治らない、ひどい下痢、どんどん痩せていくなど。

普段ならなんでもない常在菌に負けてしまう『日和見(ひよりみ)感染』や、貧血、腫瘍などが次々と現れます。」

パパちゃん: 「口内炎でご飯が食べられないなんて…。想像するだけで辛いです。」


人間や犬にはうつるの?感染経路の真実

ママちゃん: 「一番心配なのは、私たち人間や、同居している犬にうつったりしないかどうかなんです。」

猫実先生: 「安心してください。絶対にうつりません。 FIVは『猫特有』のウイルスであり、種を超えて感染することはありません。 ですから、過度な接触制限や、人間への感染を恐れて隔離する必要は全くないのです。」

主な感染ルートは「ケンカの流血」

猫実先生: 「猫同士の感染経路として最も多いのは、**『ケンカによる深い噛み傷(咬傷)』**です。 ウイルスは唾液や血液に含まれていますが、感染力自体はそれほど強くありません。 皮膚を突き破って血管に直接ウイルスが入るような『濃厚接触(流血)』がないと、うつりにくいと言われています。」

空気感染や、飼い主の手を介した感染は?

パパちゃん: 「では、外で野良猫ちゃんを触って帰ってきた時はどうでしょう?僕の服や手についたウイルスを持ち込んでしまう可能性は?」

猫実先生: 「空気感染もしませんし、ウイルス自体が非常に弱いため、体外に出ると数分〜数時間で死滅してしまいます。

ですから、普通に外で猫を撫でて、帰宅後に手を洗えば、まず感染リスクはありません。 よほどの流血沙汰になったり、唾液でベタベタの手で即座に愛猫の傷口を触ったりしない限り、飼い主さんが媒介者になることは稀です。」


もし感染したら…?治療費と生活の制限

パパちゃん: 「もし感染していることが分かったら、治療費はどれくらいかかるんでしょうか?」

治療費の目安(対症療法とインターフェロン)

猫実先生: 「ウイルスを完全に消す特効薬はありませんが、発症して口内炎などができた場合は、症状を和らげる『対症療法』を行います。

  • サプリメント: 免疫維持のため(月数千円程度)
  • インターフェロン注射など: ウイルスの活動を抑える(数千円〜数万円)
  • 抜歯手術: ひどい口内炎の場合、歯を抜くことで痛みが改善することがあります(十数万円〜)

第2段階(無症状期)であれば、特別な医療費はかかりません。定期的な健康診断代くらいですね。」

多頭飼いや生活での制限は?

猫実先生: 「流血するような激しいケンカをしなければ、同居も可能です。 グルーミングや食器の共有程度では感染リスクは低いとされています。 相性が悪くてケンカが多い場合は部屋を分けるなどの対策が必要ですが、仲良しならそこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ。」


【E-E-A-T】わが家は「完全室内飼い」を徹底。パパちゃんの予防対策

今のところ、わが家のしょうすけ・ゆうまはFIV陰性です。 この状態を維持するために、僕たちが心がけていることをお話しします。

外猫との距離感と「ケジメ」

僕の住んでいる地域は地域猫活動も活発で、外で猫に出会うことも多いです。 人懐っこい子もいますが、そんなに触らせてくれる子は多くありません。

普段特に意識はしていませんが、FIV以外にも、ノミ・ダニやパルボウイルス(これは感染力が強い!)など、様々なものを持ち込むリスクはゼロではありません。 だからこそ、外の猫と触れ合った後は、必ず手洗い・着替えをしてから愛猫に会うという「ケジメ」だけは守るようにしています。

脱走防止こそが最大の予防策

FIV感染の最大のリスクは、何と言っても**「脱走して、外の猫とケンカすること」**です。 これに尽きます。

だからこそ、玄関や窓の脱走防止策(二重扉やロック)には手を抜きません。 FIV予防のためだけでなく、交通事故や迷子を防ぐためにも、「出さない」ことが最強の愛情表現だと思っています。

もし将来、キャリア猫を迎えるとしたら?

もし将来、ご縁があってFIVキャリアの猫を迎えることになったら…。 うちはしょうすけが結構アタッカー気質(ケンカっ早い)なので、同居は難しいかなぁ〜と正直思います。

でも、今回学んだように「潜伏期間が長い」ことや、人間にはうつらないことを知っていれば、過度に恐れる必要はないと分かりました。 正しい知識は、選択肢を広げてくれますね。


まとめ|パパちゃんと猫実先生の「猫談義」 🐾

しょうすけ: 「ぼくはパパちゃん一筋だから、外の猫とケンカなんてしないもんね! でも、パパちゃんが他の猫のニオイさせて帰ってきたら、ちょっと怒っちゃうかも!」(強がり)

ゆうま: 「お外は怖いから出ないよ…。 おうちでゴロゴロしてるのが一番だね。パパちゃん、なでて〜」(平和主義)

ママちゃん: 「『エイズ』って名前だけで怖がってたけど、無症状の期間が長いことや、口内炎に気をつければいいってことが分かって少し安心したわ。 でも、持ち込まない対策は徹底しましょう。」

パパちゃん: 「そうだね。外から帰ったら手洗い・うがい・着替え! これは風邪予防と一緒で、家族みんなの健康を守る基本だね。」

猫実先生: 「その通りです。 FIVは『予防できる病気』であり、万が一感染しても、ストレスケア次第で『幸せに長生きできる病気』です。 正しい知識と愛情で、これからも猫ちゃんたちとの温かい時間を守ってくださいね。」られる病気』です。 正しい知識と愛情で、これからも猫ちゃんたちとの温かい時間を守ってくださいね。」