シャルトリューは、フランス原産のブルー一色の被毛と、口角が上がったように見える「微笑み顔」で知られる猫種です。見た目はクールで渋いのに、性格は穏やかで甘えん坊。「犬みたい」と言われるほど飼い主さんへの従順さもあり、静かに寄り添ってくれるパートナーとして人気がじわじわ広がっています。ここでは、日本で初めてシャルトリューを迎えたい人向けに、性格・特徴・入手状況から飼い方のコツまで、まとめて解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | フランス（フランス原産のブルーキャットとして知られる） |
| 毛の長さ | 短毛（密度の高いダブルコート／ややウールのような手触り） |
| カラー | ブルー（ブルーグレー／青灰色）のみ |
| 模様パターン | ソリッド（単色ブルー） |
| 体重 | オス約4〜6.5kg／メス約3〜4kg が目安（中型〜やや大型のセミコビー体型） |
| 性格 | 穏やかで賢く、甘えん坊かつおとなしい「犬のような従順さ」を持つ猫 |
| 寿命（一般例） | 約12〜15年（一般的な猫の平均寿命と同程度） |
| 公認団体 | CFA・TICA・FIFe・GCCF など主要団体で公認 |
| 入手難易度（日本） | ★3（完全な希少種ではないが、常時どこでも出会えるわけではない） |
💡特徴
シャルトリューは、がっしりとしたセミコビー体型に対して四肢はやや細めで、筋肉質ながらも柔らかなシルエットが魅力です。密度の高いブルーのダブルコートは水をはじきやすく、触るとウールのようにふわっとした独特の手触りがあります。丸い顔に小さめの立ち耳、ぷっくりとしたウィスカーパッドとすぼまった口元の組み合わせにより、常に口角が上がったような「微笑み顔（スマイル）」に見えるのが一番のチャームポイント。目の色はゴールド〜カッパー、オレンジ系が多く、青灰色の被毛とのコントラストがとても印象的です。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 大手ペットショップチェーン、子猫販売サイトで時々掲載あり | |
| ブリーダー | 国内の専門ブリーダー、ブリーダー直販サイト | |
| 里親募集 | 保護団体・里親サイト・ショップの譲渡枠などでごく稀に募集あり |
💬 解説
日本でも「ブルー御三家（ロシアンブルー・コラット・シャルトリュー）」の一角として名前は知られていますが、飼育頭数自体はそれほど多くなく、「どの店でもいつでも出会える猫種」ではありません。
大手ペットショップや子猫販売サイトでは、タイミングによっては複数頭が掲載されることもあり、価格帯はおおよそ15万〜25万円前後が中心です。ブリーダー直販サイトの成約データでは、平均価格は20万〜26万円ほどで、血統や顔立ちによっては30万円近くなるケースもあります。
純血シャルトリューとしての里親募集は多くはありませんが、ごく稀に保護団体やショップの譲渡枠、里親サイトで見かけることがあります。ミックス表記の中に「シャルトリュー系」として出てくる場合もあるため、血統書の有無を確認したい場合は注意が必要です。
💡 豆知識
ロシアンブルーと間違えられることもありますが、**シャルトリューはよりがっしり体型＆ウールのような被毛、丸い「微笑み顔」**がポイント。ロシアンブルーはスリムで、被毛はシルキー寄りです。
- 見た目はクールだが、実は甘えん坊で飼い主に従順
- 穏やかでおとなしく、鳴き声も小さいためマンションでも飼いやすい
- 賢く、名前を呼ぶと来る・おもちゃを持ってくるなど「犬っぽい」行動も見られる
- 子どもや他の猫とも比較的うまく距離を取れる、争いを好まないタイプ
- 「見た目は渋くてクールなのに、家では甘えん坊。ギャップがたまらなくて“フランス紳士”って呼んでます。」
- 「鳴き声が小さくておだやかなので、マンションでも飼いやすいです。来客にもわりとフレンドリーで、犬が苦手な友人にも好評。」
- 「一緒に遊ぶときは全力で走り回るのに、普段はのんびり。子どもとも上手に距離をとってくれるので安心して見ていられます。」
- 「子猫のときは意外とやんちゃで、ソファの背もたれをダッシュコースにされました。落ち着くまでが少し大変でした。」
- 「成長がゆっくりで体格が仕上がるまで時間がかかるので、適正体重の見極めが難しく、太らせないようフード管理に気を使います。」
- 「被毛が密で抜け毛の量もそれなりにあるので、シーズン中はこまめなブラッシングと掃除が必須。暑さにも弱いので、夏のエアコン代がちょっと心配。」
- いつの間にか“フランス紳士”キャラになる
グレーのスーツみたいな毛色とクールな顔立ちのせいで、家族の中で「ムッシュ」「ボンジュールさん」など勝手にフランス風あだ名をつけられがち。 - 実は“犬みたい”と言われてちょっと得意げ
名前を呼ぶとトコトコ来たり、おもちゃを投げると持ってきたり。「犬みたい」と言われるたびに、どこか誇らしげな顔をしている気がする。 - あの笑顔、絶対わかってやってるよね？
口角がキュッと上がった“微笑み顔”でじっと見つめられると、イタズラを許してしまう。飼い主の「甘々スイッチ」を完全に把握している疑惑。 - ひんやり床を求めて“床職人”と化す
暑い季節になると、家じゅうの一番冷たい床スポットを探し当ててゴロン。気づけば廊下や玄関で伸びていることもしょっちゅう。 - 運動は好きだけど“全力ダッシュは短距離”派
キャットトンネルやねこじゃらしにはノリノリで飛びつくが、数分走るとサッとソファに戻ってクールダウン。「今日はここまで」と言わんばかり。 - 写真を撮ると、なぜか全部“宣材写真”風
ブルーの毛並みにゴールドの瞳という組み合わせのせいか、スマホで適当に撮ってもポスターみたいな雰囲気に。背景の生活感だけが惜しい。 - なでられるとエンジン音みたいなゴロゴロ
見た目のクールさに反して、喉を鳴らす音は意外と大きめ。静かな部屋だと「え、これ本当に猫の音？」と驚かれるレベル。 - 椅子を取られると、無言の“圧”で返還要求
いつもの定位置に人が座ると、近くに来てじっと見つめてくる。鳴きはしないが、目線だけで「そこ、ぼくの席なんだけど」と訴えてくる。 - 遊ばないおもちゃBOXがどんどん増える
知的なおもちゃは大好きだけど、飽きるのも早め。気づけば“現役おもちゃ”と“卒業おもちゃ”が分かれていて、棚がシャルトリュー博物館状態に。 - 抱っこすると“想像以上にずっしり”に毎回びっくり
見た目はそこまで大きく見えなくても、筋肉質な体で抱き上げると予想以上の重さ。「あれ？こんなに重かった？」と体重計を確認するのがルーティン。
シャルトリューは、フランス原産の自然発生的なブルーの短毛猫として長い歴史を持つ猫種です。起源については諸説あり、「昔、カルトジオ会（シャルトリューズ修道院）の修道士が飼っていた猫に由来する」という有名な説もありますが、文書的な裏付けは乏しく、現在では“ロマンある伝承”として語られることが多いとされています。実際には、フランス各地にいた在来のブルーキャットがベースとなり、ネズミ捕りなどに活躍するワーキングキャットとして農家や倉庫で重宝されてきました。
18世紀の詩人ジョアシャン・デュ・ベレーの作品や、フランスの作家コレットがシャルトリューと思われる青い猫を愛したことなど、文学作品にもたびたび登場し、「フランスの宝」と呼ばれる存在になります。しかし、戦争や社会情勢の変化により頭数は激減し、20世紀前半には絶滅の危機に瀕しました。そこでフランスのブリーダーたちが、地方に残っていたブルーキャットを集めて系統的な繁殖を進め、現在のシャルトリューとしてのタイプを整えていきます。
第二次世界大戦後には、ブリティッシュ・ショートヘアなど他のブルー猫種との混同も起こりましたが、その後、頭部の形や体型、被毛の質などを重視した選択繁殖が続けられ、「微笑む顔」とウールのような被毛を持つ独自の猫種として位置づけられるようになりました。現在、シャルトリューはフランスだけでなく、アメリカやヨーロッパ各国の主要団体（CFA・TICA・FIFe・GCCFなど）で公認されており、「ロシアンブルー」「コラット」と並ぶ“ブルー御三家”の一角として世界中の猫好きから愛されています。とはいえ、登録頭数は依然として多くはなく、今でも「知る人ぞ知るフランス生まれの青い猫」として、落ち着いた性格と上品な見た目で静かな人気を集める存在です。
環境づくり
- 人のそばにいるのが好きなので、リビングなど家族が集まる場所にベッドやくつろぎスペースを用意する
- 短毛とはいえダブルコートで暑さに弱いため、夏場はエアコンやサーキュレーターで室温・湿度をしっかり管理する
- 高いところ・隠れ家の両方を用意してあげると、気分に合わせて落ち着ける
食事
- 成長がゆっくりな猫種なので、月齢・体重・活動量に合った総合栄養食を与えつつ、体重の増え方をこまめにチェックする
- 筋肉質な体型を維持するため、質の良いタンパク質を含むフードを選び、肥満予防のためおやつは控えめに
遊び
- 激しすぎる運動よりも、ねこじゃらしやボールなどを使った“短い全力ダッシュ＋まったり休憩”スタイルが向いている
- 賢く好奇心もあるので、トンネルや知育トイなど頭を使う遊びを取り入れるとストレス解消にもつながる
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥満・関節への負担 | がっしりした体型で食欲も旺盛な子が多く、運動量が減ると肥満になりやすい。体重オーバーは関節や内臓への負担につながるため注意。 |
| 歯周病・口内炎 | 多くの猫種に共通するが、口腔ケアを怠ると口臭・歯石・痛みから食欲低下を招く。定期的な歯みがき・チェックが大切。 |
| 熱中症 | 密なダブルコートのため、高温多湿の日本の夏には弱い傾向。風通しやエアコン調整、水分補給の環境づくりが重要。 |
📊 平均寿命（一般例）：約12〜15年
💡 健康維持のためには、適正体重の管理・質の良いフード・年1回以上の健康診断を心がけましょう。特に中高齢期には、血液検査や尿検査などを通して腎臓・肝臓の状態を定期的にチェックしておくと安心です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | 約15万〜30万円前後（平均は20万〜25万円ほど） |
| 価格差の要因 | 血統（ショータイプかペットタイプか）、親猫のチャンピオン歴、顔立ちや体型のバランス、月齢、ワクチン・マイクロチップ・避妊去勢の有無など |
| 購入ルート | 専門ブリーダー、ブリーダー直販サイト、ペットショップ、稀に譲渡枠・里親サイトなど |
💡 選び方のコツ
親猫の性格・健康状態・飼育環境をよく見せてもらい、「人や他の猫との関わり方」「生活スペースの清潔さ」などもあわせてチェックしましょう。血統書の発行元や、遺伝性疾患に関する検査の有無、ワクチン履歴、アフターフォローの体制も大切なポイントです。見た目だけで即決せず、複数の候補を見学して比較検討すると安心です。
シャルトリューとの暮らしは、「静かな距離感の中に、ふわっとした温かさがある」ような時間が流れます。仕事から帰ってくると、さりげなく玄関付近やリビングの入口で待っていて、目が合うと尻尾をゆっくり揺らしながら近づいてくる…。そんな控えめだけど分かりやすい歓迎ぶりに、疲れもふっと和らぎます。
日中はソファやキャットタワーの上、ひんやりした床の上など、その時いちばん心地よい場所を見つけて、のんびりお昼寝タイム。夜は家族が集まるソファ付近で一緒にテレビを見たり、時々おもちゃに飛びついて見せ場を作ったり。過度にベタベタはしないものの、気づけばいつも視界のどこかにいる――そんなさりげない距離感が、シャルトリューならではの日常です。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
シャルトリューは、極端に神経質ではなく、鳴き声も控えめで穏やかな性格のため、猫飼育が初めての人や共働き家庭、静かに暮らしたい一人暮らしにも向いた猫種です。一方で、子どもがいる家庭では、猫のペースを尊重できるよう、触り方・接し方をしっかり教えてあげるとより良い関係を築けます。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| ロシアンブルー | クールで慎重、人見知りしやすいが飼い主には甘えん坊 | 静かな家庭向き。運動量は適度で、環境を整えれば飼いやすい。 | |
| コラット | 好奇心旺盛で活発、感情表現はストレート | 日本での流通は少なめ。遊び好きな家庭・一緒に遊ぶ時間を取れる人向け。 | |
| ブリティッシュ・ショートヘア | おっとりマイペースで独立心強め | 長時間のお留守番にも比較的強く、のんびり一緒に暮らしたい人に人気。 |
パパちゃん、シャルトリューって“フランスの青い猫さん”なんだよね？ ぼくと同じもふもふだけど、あのグレーのスーツみたいな毛って暑くないのかな？
いい質問だね、ゆうまさん。シャルトリューの毛は短毛だけど、とっても密度の高いダブルコートなんだ。だから冬は暖かいけど、夏は暑さに弱いからエアコンや風通しをしっかりしてあげるのがポイントなんだよ。
性格はどんな感じ？ ぼくはちょっと人見知りだけど、シャルトリューさんは“犬みたい”って言われてるんだよね？
そうだね。シャルトリューは穏やかで賢くて、飼い主さんに従順なところがあって“犬みたい”って言われるんだ。べったりしすぎず、でも一緒にいるのが好きっていう、ちょうどいい距離感の甘えん坊さんが多いよ。
ぼくみたいに、こっそり隠れるのが好きな子とも仲良くできるかな？ しょうちゃんみたいな元気な兄ちゃんがいても大丈夫？
シャルトリューは争いを好まないタイプで、ほかの猫や子どもとも上手に距離をとれる子が多いんだ。ちゃんと慣らしてあげれば、しょうちゃんみたいな元気なお兄ちゃんとも、ゆうまさんみたいなマイペースな子とも、うまくやっていける可能性は高いと思うよ。
日本の夏ってムシムシしてて、ぼくでもちょっとしんどい時あるけど…シャルトリューさんは熱中症とか平気なの？
そこは注意ポイントだね。厚い被毛に覆われているから、高温多湿の日本の夏は苦手なんだ。クーラーや除湿で室温を管理したり、水をいつでも飲めるようにしたりして、熱中症をしっかり予防してあげる必要があるよ。
もしパパちゃんがお迎えするとしたら、どれくらいの予算と時間がいるの？ ぼくのごはん代もあるし、ちょっと気になる…。
日本だと、子猫の価格は15万〜30万円くらいが目安で、平均すると20万〜25万円くらいの子が多いかな。人気の色味や顔立ち、血統によってはもう少し高くなることもあるよ。それと、ペットショップやブリーダーで“出会えるタイミング”も大事だから、急がずじっくり探す覚悟も必要だね。
シャルトリューは、フランス生まれの青い毛並みと“微笑んだような顔”がとても魅力的な猫です。穏やかで賢く、多頭飼いにも向きやすい性格なので、ゆったりした時間を一緒に過ごしたい家庭にはぴったりだと思います。ただし、暑さ対策や体重管理など、長く元気に暮らしてもらうためのポイントもあるので、迎える前にしっかり情報を集めて準備してあげたいですね。
