大きな体にもふもふの毛、ライオンのようなえりまきが印象的なメインクーン。
見た目はワイルドなのに、実はとても穏やかで優しい性格をしていて、「ジェントル・ジャイアント（優しい巨人）」という愛称でも知られています。ここでは、日本でメインクーンを迎えたい人向けに、性格・特徴・価格・健康面までまとめて解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | アメリカ合衆国（メイン州原産の自然発生種とされる） |
| 毛の長さ | 中長毛〜長毛のダブルコート（密なアンダーコート＋やや硬めのガードヘア） |
| カラー | ブラウンタビー、レッドタビー、クリーム系、シルバー系、トーティ、バイカラーなどほぼ全色・全パターンが存在 |
| 模様パターン | クラシックタビー／マッカレルタビー／スポテッドタビー、バイカラー、トーティ、ソリッド、スモークなど |
| 体重 | オス約5.5〜8kg／メス約4〜6kg が目安 |
| 性格 | 穏やかでおおらか、人懐っこく賢い甘えん坊タイプ |
| 寿命（一般例） | およそ12〜15年前後（個体差・飼育環境により変動） |
| 公認団体 | CFA・TICA・FIFe・GCCF で公認 |
| 入手難易度（日本） | ★2（人気の大型長毛種でショップ＆ブリーダーでは比較的見つけやすいが、里親ルートはやや少なめ） |
💡特徴
世界最大級の家庭猫と言われる大型種で、長い長方形のボディに太く長いしっぽ、胸元のゴージャスなえりまき、足先の飾り毛など“雪国仕様”の被毛が特徴です。耳の先にはリンクスティップと呼ばれる耳毛が生え、顔はやや長めのくさび形でワイルドな雰囲気。一方で表情や目元は柔らかく、性格もとても穏やか。大きな体に似合わず鳴き声は意外と高く、小さく「ピッ」「トゥルル…」とさえずるように話しかけてくる子も多いです。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 都市部の総合ペットショップ、大型ショッピングモール内の店舗など | |
| ブリーダー | メインクーン専門キャッテリー、大型長毛種を扱うブリーダー直販サイト | |
| 里親募集 | 里親募集サイト、保護団体（主に成猫・ミックスが中心） |
💬 解説
メインクーンは日本でも知名度・人気が高く、ペットショップやブリーダー経由では比較的見つけやすい猫種です。価格帯はペットショップで15〜40万円前後、容姿や血統によっては50万円近くになることもあります。ブリーダー直販の場合は15〜30万円前後がボリュームゾーンですが、ショータイプや人気カラーは高額になりがちです。
一方、里親・保護ルートでは「メインクーン」「メインクーン風」「長毛大型ミックス」として募集されることがありますが、雑種全体に比べると件数は少なく、血統書付きの若い純血個体は“出会えたらラッキー”なレベルです。
💡 豆知識
メインクーンには、指が多い「ポリダクティル（多指症）」の系統もおり、アメリカの一部地域では“幸運の猫”として親しまれてきた歴史があります。
- 穏やかでおおらか、ケンカを好まない平和主義
- 人懐っこく、家族のそばにいたがる甘えん坊
- 賢くて学習能力が高く、呼びかけや簡単な遊びをすぐ覚える
- 大きな体からは想像できないほど温厚で、子どもや他の猫・犬とも上手に付き合える。「抱っこも爪切りもさせてくれる」「来客にも落ち着いて接する」といった“ジェントル”な一面を評価する声が多い。
- 人懐っこく、家の中でいつも家族のそばにいるタイプ。「あとをついてくる」「名前を呼ぶと返事をして来る」「犬のようにおもちゃの持ってこい遊びをする」など、コミュニケーションの濃さが人気。
- もふもふの毛とライオンのような襟巻き、長い尻尾がとにかくゴージャスで、写真映え抜群。「寝転がっているだけで存在感がすごい」「一緒にいるとちょっとしたセレブ気分」と、見た目の満足度が高いという口コミ。
- 長毛のため抜け毛・毛玉対策が必須。「毎日ブラッシングしないとすぐ毛玉になる」「換毛期は掃除機が手放せない」など、グルーミングと掃除の手間を負担に感じる声も多い。
- 大型でごはんの量も多く、トイレも大きめサイズが必要なため、「フード代と猫砂代が想像以上」「ケージやキャットタワーも大型を選ぶので初期費用がかかる」といったコスト面のデメリットが挙げられる。
- 肥大型心筋症や股関節形成不全など、遺伝性疾患のリスクが指摘されており、「定期的な心エコーやレントゲン検査、保険加入が必須だと感じる」「シニア期以降の医療費が心配」という声も。あくまで一般的な傾向で、個体差は大きい。
- でかいのに声だけピヨピヨ
見た目はライオン級なのに、鳴き声は「ピッ」「トゥルル」と超高音。初めて聞いた人は「今の音、この子？」と周りをキョロキョロする。 - ソファがいつの間にか“半分こ”
くつろいでいたら、気づけば巨大もふもふがドーン。横向きに寝られると、人間のスペースはソファの端っこ10cmだけになる。 - しっぽだけで物語る猫
長いしっぽがゆらゆら、ブンブン、パタパタ…見ているだけでご機嫌・不満・ワクワクが丸わかり。しっぽの動きで今日の機嫌チェックが日課になる。 - 水遊びはちょっと興味あります
蛇口の水やお風呂のお湯には興味津々。前足でちょいちょい触っては、床をびしょびしょにして「え？なにか？」という顔をする。 - キャットタワーは“展望台”扱い
最上段にどっしり陣取って、家族の動きをじーっと観察。下から見上げると、完全に“城の主”ポジションで、通称・タワーマンション最上階住猫。 - 撫でるとエンドレス“ゴロゴロBGM”
一度スイッチが入ると、喉グル音が止まらない。テレビの音よりゴロゴロが大きくて、いつの間にか家族全員がBGM代わりにしている。 - ごはん前は小走りラビット
ごはんの支度を始めると、巨大な体で小走りにウロウロ。キッチンとの往復を繰り返し、最後は“ごはんダンス”で全力アピール。 - 抱っこしたら軽い筋トレ
甘えて抱っこを要求されると、腕と腰にずっしり重量感。「可愛い…でも重い…でも可愛い…」と、飼い主の筋力とメロメロ度が同時に鍛えられる。 - 寝相がもはや人間
仰向けで足を投げ出し、枕を半分占領して寝る姿は完全に人。布団をめくると、そこには“大きめの人型もふもふ”が完成している。 - 写真に収まりきらない問題
スマホで撮ると、顔だけ・お尻だけなど一部しか写らない。全身写真を撮ろうとすると、部屋の端まで下がる必要があり、撮影会がちょっとした運動に。
メインクーンは、アメリカでもっとも古い自然発生の猫種のひとつとされ、そのルーツは19世紀のアメリカ北東部・メイン州にさかのぼります。厳しい寒さと積雪の多い土地で、納屋や農場のネズミを捕る“働き猫”として活躍していた長毛の農場猫たちが、現在のメインクーンの祖先と考えられています。寒冷地に適応するために、厚いダブルコートや大きな体、雪の上でも沈みにくい大きな足先、長い尻尾といった特徴が自然に備わっていったとされています。
その起源についてはさまざまな説があり、バイキングとともにアメリカ大陸に渡った北欧の長毛猫の子孫とする説、フランス王妃マリー・アントワネットがアメリカへの亡命を試みた際に船に乗せていた長毛猫が現地の猫と交配したというロマンチックな伝説などが語られてきました。ただし、いずれも確かな証拠はなく、「メイン州の環境に適応した土着の長毛猫が、後に品種として固定された」という説がもっとも現実的とされています。
19世紀後半にはすでにメイン州の農家や町で人気者となり、地域の品評会でも「メイン州原産の大きな長毛猫」として注目を集めていました。20世紀初頭には、イギリス原産のペルシャや他の長毛種の人気に押され、一時は姿を消しかけましたが、愛好家たちによる保存活動が行われ、1950〜60年代には再び注目されるようになります。CFAやTICAといった主要な猫種登録団体では1970年代以降本格的に公認され、現在では世界中で広く知られる長毛種となりました。
日本には1980年代以降に紹介され、ゴージャスな見た目と温厚な性格から徐々に人気が高まりました。現在のメインクーンは、「ジェントル・ジャイアント」と呼ばれる優しい大型猫として愛される一方、肥大型心筋症や股関節形成不全などの遺伝性疾患が知られており、健康を重視したブリーディングや遺伝子検査が重視されています。大型で存在感のある体格と、人懐っこくおおらかな性格の両方を受け継いだ、まさに“アメリカ生まれの頼れる相棒”といえる猫種です。
環境づくり
- 大型なので、幅広めのキャットタワーやしっかりした爪とぎ、体を伸ばして寝られるベッドなど“サイズ大きめ”の家具を用意する。
- 走り回れるスペースを確保しつつ、滑りにくいマットやカーペットで関節への負担を軽減する。
- 長毛＋ダブルコートのため、ブラッシングしやすい場所やシャンプー後に体をよく乾かせる環境を整える（ドライルームやドライヤースポットなど）。
食事
- 大型種だからといって“あげ放題”にせず、体重・体格に合った総合栄養食を適量与え、肥満を防ぐ。
- 心臓や関節ケアにも配慮し、シニア期には関節サポート成分や心臓ケアを意識したフードへの切り替えも検討する。
遊び
- 体力はあるが性格は穏やかなので、「短時間×回数多め」の遊びで無理なく運動させる。
- 高さのあるキャットタワーや、追いかけるタイプのおもちゃ（じゃらし・ボール）など、ハンター欲求を満たせる遊びを取り入れる。
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載します。
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥大型心筋症（HCM） | 心臓の筋肉が厚くなり、ポンプ機能が低下する遺伝性疾患の一種。メインクーンではよく知られたリスクで、若いうちから定期的な心エコー検査でのチェックが推奨される。 |
| 股関節形成不全 | 股関節の形が正常にかみ合わないことで、痛みや歩き方の異常、将来的な関節炎の原因となる。大型で体重が重くなりがちなため、体重管理と滑りにくい環境づくりが大切。 |
| 脊髄性筋萎縮症（SMA） | 神経の異常により筋肉が萎縮していく遺伝性疾患。キャリア検査が可能で、遺伝子検査を行いキャリア同士の交配を避けることで予防ができる。 |
📊 平均寿命（一般例）：およそ12〜15年前後
💡 若い頃からの体重管理・定期健康診断（血液検査、心エコー、レントゲンなど）を続けることで、シニア期の病気の早期発見・早期治療につながります。大型種だからこそ「少しの変化」に気づくための、日々の観察も大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | ペットショップ：15〜40万円前後／ブリーダー直販：15〜30万円前後（ショータイプや人気カラーは〜50万円） |
| 価格差の要因 | 血統（ショーラインかどうか）、顔立ち・体格、カラー・模様の人気度、性別、購入先（ショップ or ブリーダー）、ワクチン・保証内容など |
| 購入ルート | ペットショップ（実物を見て選びやすい）、メインクーン専門または大型長毛種のブリーダー、まれに里親・保護猫ルート |
💡 選び方のコツ
メインクーンを選ぶときは、まず親猫の健康状態と遺伝子検査の有無（HCM・SMA・股関節など）を確認することが大切です。健康検査の結果を開示してくれるか、ブリーディング方針をきちんと説明してくれるブリーダー・ショップを選びましょう。また、子猫自身の性格（人に触られても嫌がりすぎないか、兄弟との関わり方は穏やかか）もチェックポイント。大型猫なので、将来的な体格や生活スペース、フード・医療費なども含めて「無理なく一生飼えるか」をイメージして選ぶと安心です。
朝起きると、ベッドの足元には大きなもふもふの塊。こちらが目を覚ますと、長いしっぽをふわっと振って「おはよう」と高い声であいさつしてくれます。キッチンに行けば、少し距離を取りながらも必ずついて来て、ごはんの準備をじっと見守る“朝の相棒”。
日中は窓辺やソファの背もたれでのんびりくつろぎ、家族が動き出すとゆっくり後ろからついていく。夜は広めのソファでどーんと横になり、その隙間に家族が「座らせてもらう」形になることも。大きな体で寄り添ってくれる安心感と、優しい性格のおかげで、暮らし全体がふんわり穏やかな空気に包まれます。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
穏やかで人懐っこく、攻撃性が低い子が多いので、猫飼育が初めての人や子どもがいる家庭でも比較的付き合いやすい猫種です。ただし大型で維持費もそれなりにかかるため、経済面と住環境にゆとりがあるおうち向き。1人暮らしや共働き家庭でも、日々のブラッシングとコミュニケーションの時間をきちんと確保できる人なら、よきパートナーになってくれます。
※比較表にはメインクーンのデータは加えず、メインクーン以外の3品種で表を作成しています。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| ラグドール | とても穏やか・抱っこ好き・マイペース | 長毛でお手入れは必要だが、性格はおだやかで初心者にも向きやすい | |
| ノルウェージャンフォレストキャット | おおらか・好奇心旺盛・やや自立的 | メインクーン同様の中〜大型で運動量もあるが、のびのび育てやすい | |
| サイベリアン | 人懐っこい・活発・社交的 | 長毛だが比較的タフで、アレルギー持ちの人が選ぶこともある（個体差あり） |
ママちゃん、あの大きくてふさふさのメインクーンさんって、ぼくの2倍くらいありそうなんだけど…一緒にベッドで寝たら、ぼくの場所なくならないかな？
メインクーンさんはたしかに大きいけど、そのぶん心も広い“優しい巨人”なんだよ。ぎゅうぎゅうになっても、きっとゆうまさんの分のスペースもちゃんと空けてくれるはず。むしろ大きな毛布みたいに、くっついて寝たら冬はぽかぽかだと思うな。
あんなに大きいのに、鳴き声はどんな感じなの？ ぼくはわりと小声だけど…あの子、家じゅうに響く「ニャー！」とか出さない？
意外かもしれないけど、メインクーンさんの声はすごく高くて控えめな子が多いんだよ。「ピッ」とか「トゥルル…」って小鳥みたいな声で話しかけてくるの。見た目とギャップがあって、そこもまた可愛いポイントなんだ。
毛がすごく長そうだけど、お手入れってどのくらい大変なの？ ぼくは中毛だけど、お風呂はまだ平気なほうなんだ…。
メインクーンさんは長毛だから、できれば毎日〜数日に1回はブラッシングしてあげたいかな。特にお腹や脇の下は毛玉になりやすいから、優しくほぐすのがポイント。お風呂が平気なゆうまさんみたいな子と暮らすおうちだと、シャンプーもあまりストレスにならないから相性はいいと思うよ。
そんなに大きいと、ごはん代とか病院代も多くかかるの？ パパちゃんのお財布、大丈夫かな…ってちょっと心配。
体が大きいぶん、確かにごはんの量やトイレの砂、医療費もふつうの猫さんよりは多めに見ておいたほうが安心だね。それに、メインクーンさんは心臓や関節の病気に気をつけたい猫種だから、定期検診や保険もセットで考えるのがベター。でも、そのぶん一緒にいる時間はすごく濃くて、頼れる大きなお友だちになってくれるよ。
もしママちゃんがお迎えするなら、メインクーンさんのどんなところを一番チェックする？ ぼく、おっとりペースだけど仲良くできるかな…。
まずは親猫の健康検査かな。心臓や関節の遺伝性の病気について、ちゃんと検査しているブリーダーさんかどうかを確認したい。それから、性格が穏やかで他の猫ともゆっくり距離を縮められる子かどうか。ゆうまさんみたいにおっとりした子とは、テンションは違っても、横で一緒にお昼寝したり、夜はベッドの両端を分け合ったりして、いいコンビになってくれると思うよ。
メインクーンは、見た目はライオンみたいに大きくてゴージャスだけど、中身はとっても優しくて人が大好きな“ジェントル・ジャイアント”。広めのスペースや毎日のブラッシング、心臓や関節の健康チェックなど、気をつけるポイントは多いけれど、そのぶん家族との絆はとても深くなる猫種だと思うよ。ゆうまさんみたいなおっとりさんとも、のんびりペースを守りながら、大きな体でそっと寄り添ってくれる、心強い相棒になってくれるはず。
