ピクシーボブは、ボブキャットのようなワイルドな見た目と、犬のように人に寄り添う穏やかな性格を持つ中〜大型の猫種です。短いしっぽや多指症（指が多いおてて）、がっしりした体つきなどインパクトのある見た目とは裏腹に、実際はとても優しく落ち着いた家庭向きの性格。日本ではまだかなりのレアキャットですが、「大きめで頼れる相棒猫と暮らしたい」「猫とも犬とも違う付き合い方をしてみたい」という人にとって、憧れの存在と言えるでしょう。ここでは、ピクシーボブの基本データから性格、飼い方のコツ、日本での入手事情まで、初めての方にも分かりやすく解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | アメリカ合衆国（ワシントン州） |
| 毛の長さ | 短毛〜セミロング（ショートヘア／ロングヘアの2タイプ。厚みのあるダブルコート） |
| カラー | ブラウン系（ブラウンの濃淡をベースにしたタビーが基本） |
| 模様パターン | ブラウン・スポテッドタビー（斑点模様）が基本。クラシックタビー／マッカレルタビー状の模様も見られる |
| 体重 | オス約4〜8kg／メス約3.5〜6kgの中〜大型・筋肉質 |
| 性格 | おだやかで社交的、犬のように忠誠心が強く遊び好き |
| 寿命（一般例） | 12〜16年程度（一般的な室内飼い猫よりやや長めとされる） |
| 公認団体 | TICA・ACFA など（CFA 非公認） |
| 入手難易度（日本） | ★5：非常に困難（国内流通はごくわずか・多くは海外ブリーダー経由） |
💡特徴
ピクシーボブは、野生のボブキャットを思わせるがっしりした骨格と筋肉質なボディを持つ中〜大型の猫です。肩まわりの盛り上がりがしっかりしていて、四肢も太く力強く、歩いているだけで「どっしり感」が伝わります。頭は幅広で、目尻がやや下がった表情豊かな目と、はっきりしたタビー模様がワイルドな印象を演出。耳先に小さなタフト（房毛）がつく個体もいて、より“山のボス”感が増します。
尻尾は先天的に短い「ボブテイル」が特徴で、ちょこんとした超短尾から中くらいの長さまで個体差があります。前足・後ろ足ともに指が多い「多指症（ポリダクティル）」が比較的よく見られる猫種で、7本指までならショー出陳も認められているのもユニークなポイントです。被毛は厚みのあるダブルコートで、ショートタイプでも密度が高く、ロングヘアではお腹や尻尾まわりがふっくらとボリュームアップして見えます。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | レアキャット専門店・輸入代行ショップでの個別紹介レベル | |
| ブリーダー | 海外（主にアメリカ）のブリーダー、レアキャット系キャッテリー、輸入代行 | |
| 里親募集 | ごくまれにミックス個体が保護される可能性あり |
💬 解説
日本のペットメディアやブリーダー情報サイトでは、「日本国内でのピクシーボブの飼育例は非常に少ない」「ブリーダーはほとんどいない」という記載が目立ちます。多くの場合、お迎えには海外ブリーダーとのやりとりや輸入代行サービスを利用する必要があり、タイミングや予算面のハードルも高めです。国内ブリーダーサイトでも、掲載される子猫はごく少数で、常に出会えるわけではありません。
その一方で、日本の子猫紹介サイトでは、直近3か月の成約価格が平均約30万円というデータもあり、レア種としては「超高額」まではいかないものの、一般的な猫種よりは高めの価格帯で取引されていることが分かります。
💡 豆知識
ピクシーボブは、前足・後ろ足ともに指が多い「多指症（ポリダクティル）」が比較的よく見られる珍しい猫種で、TICAの基準では7本指までショーキャットとして認められています。
- 見た目ワイルド、中身は穏やかで愛情深い
- 飼い主家族に強くなつき、犬のように後をついて回る
- 遊び好きで運動量が多い一方、落ち着きもあり家族思い
- 見た目ワイルド、中身は超やさしい
ボブキャットのようなワイルドなルックスとは裏腹に、実際はとても穏やかで愛情深い性格だという声が多く、「子どもにも優しく接してくれる」「他のペットとも上手に付き合える」といった“器の大きさ”を評価する飼い主が目立ちます。 - 犬みたいに一緒に行動してくれる
飼い主の後をついて回ったり、車での移動やハーネス散歩を楽しむ個体も多いとされます。「ボール投げの“持ってこい”を覚えた」「呼ぶとちゃんと来る」など、しつけやコミュニケーションのしやすさを“ほぼ犬”と表現する声も。 - 大きくても落ち着きがあって扱いやすい
体は大きめでも性格はどっしり安定していて、過度に神経質ではないと感じる飼い主も多いです。「体が大きいぶん抱きしめた時の安心感がすごい」「家族との絆がとても濃い」と、存在感の大きさが魅力として語られています。
- 運動量が多く、遊びの時間が欠かせない
運動能力が高くよく動くため、「遊び時間を減らすと体重がすぐ増える」「キャットタワーや登り棒がないとストレスになりそう」という声があり、広さより“立体的な運動スペース”の確保が課題になりやすいです。 - ブラッシング頻度は想像以上に多め
短毛タイプでも毛量が多いダブルコートのため、抜け毛対策としてマメなブラッシングが必要。「できれば毎日ブラッシングしたい」「放置すると毛玉や毛球症が心配」という声があり、特にロング寄りの個体ほどお手入れ時間がかかります。 - 日本だと情報・入手ともにハードルが高い
国内の飼育頭数が少なく、病気やフード選びなどで参考にできる日本語情報が限られています。「何か気になったら英語で海外サイトを読むことが多い」「そもそもお迎えまでのハードルが高い」といった、情報面・入手面での難しさを挙げる声も見られます。
- ワイルド顔なのに甘ったれギャップ
初見の人からは「ちょっとコワモテ？」と思われがちなのに、実際は足元スリスリ＆お腹見せで甘え倒すギャップの塊。「見た目との違いで余計に可愛く見える」と家族を虜にする。 - しっぽが短いだけに“プリケツ”が強調される
短いしっぽをプリプリ振りながら歩く後ろ姿が、つい目で追ってしまう可愛さ。階段を登っていく姿を見ていると、「今日も見事なプリケツだな…」とつぶやきたくなる。 - 多指症の“ミトンおてて”にキュン
指が多い子だと、前足がまるで手袋をはめたみたいなシルエットに。フミフミされた時の“もっちり感”が通常の何割増しかで、「その手で握手して〜！」と家族にせがまれる。 - ソファは“ジャンプ台”、棚は“展望台”
大きな体でソファから棚、棚からタワーと華麗に移動。人間が座るためのソファが、いつの間にかピクシーボブのパルクールコースになっていることに気づく。 - テレビに出る野生動物には思わず反応
ボブキャットや大型ネコ科の映像が流れると、画面の前にそっと陣取って凝視。時には一緒に走っているつもりなのか、テレビの裏に回って確認する姿に家族大爆笑。 - お迎えエピソードがだいたい長い
「この子を迎えるまでに…」と話し始めると、海外ブリーダーとのメールや輸入手続きの話が止まらない。ピクシーボブ飼い同士が出会うと、お迎え武勇伝で盛り上がりがち。 - ごはん前は“低音ゴロゴロ合唱”
お皿を用意し始めると、喉のゴロゴロ音がどんどんボリュームアップ。姿を見なくても「そろそろごはんだと思ってるな」と音だけで分かるほどの存在感。 - リード散歩中の注目度が高すぎる
犬用ハーネスでお散歩していると、「犬…じゃないよね？」「何この猫さん!?」と道行く人の視線が集中。「毎回プチ撮影会になる」と嬉しいような恥ずかしいような飼い主の本音も。 - 大きいのに“ひざ猫”をあきらめない
明らかにサイズオーバーなのに、頑なに膝の上に乗ろうとする子も多い。足がしびれても動けない飼い主をよそに、本人は満足げにゴロゴロ…これぞ幸せな重み。 - 写真に撮ると“野性味マシマシ”
実物は穏やかなのに、写真だとタビー模様と体格のせいで一気に野性味アップ。「SNSに上げたら“山で撮ったの？”って言われた」なんてエピソードも。
ピクシーボブは、1990年代にアメリカ・ワシントン州で誕生した比較的新しい猫種です。きっかけになったのは、ブリーダーのキャロル・アン・ブリューワーが出会った一頭の猫でした。その猫は多指症で、アメリカ在来の野生猫ボブキャットによく似た外見をしていたといわれています。やがてその猫と近隣の猫との間に生まれた子猫の中に、さらにボブキャットそっくりの姿をした子が現れ、キャロルはその子に「ピクシー（妖精）」と名付けて溺愛しました。彼女はこの“ピクシー”の魅力を残したいと考え、似た特徴を持つ猫たちを集めて計画的なブリーディングを開始し、そこから生まれた系統が「ピクシーボブ」と呼ばれるようになったとされています。
誕生当初は、「ボブキャットと家庭猫の自然交雑がルーツなのではないか」という説も語られましたが、その後の遺伝学的な検証では野生ボブキャットの血が確認されておらず、あくまで“家庭猫同士の中で生まれたワイルドルックの品種”と位置づけられています。ブリーダーたちは、ボブキャットのような短いしっぽや野性的な外見を持ちながらも、性格は温厚で人懐っこい猫を目指して選抜を重ねました。その結果、筋肉質でがっしりした体型、短い尻尾、多指症が比較的多く見られる独特の猫種として固定され、TICAやACFAといった血統登録団体に新しい品種として認定されていきました。
現在、ピクシーボブはアメリカやヨーロッパを中心に、「見た目は野生、小さなボブキャット、中身は犬のように従順」と表現される個性的な猫として愛好家に知られています。一方で、頭数は多くはなく、血統管理や遺伝的多様性の確保が重要なテーマとなっており、健全な繁殖を続けながら猫種としての魅力を守っていく取り組みが続けられています。日本ではまだ飼育例が少なく、主に海外ブリーダーや輸入代行を通じて迎えられるレアキャットという位置づけですが、その魅力を知る人の間では“いつか一緒に暮らしてみたい憧れの存在”として注目されています。
環境づくり
- 中〜大型で運動量が多いため、キャットタワーや棚上など、縦方向に動けるスペースをしっかり確保する
- 重量級でも安心して飛び乗れる、頑丈なタワーやステップを選ぶ
- ダブルコートで抜け毛も多いので、こまめに掃除しやすい床材・ラグ選びも意識すると楽
食事
- 筋肉質な体を保つため、質の良いたんぱく質がメインの総合栄養食を選ぶ
- 大型気味の猫は太りやすい面もあるため、体重・体型を見ながら量やカロリーを調整する
遊び
- ボール遊びや「持ってこい」、じゃらしでの追いかけっこなど、体全体を使う遊びを毎日しっかり取り入れる
- 知育トイやおやつ探しゲームなど、頭を使う遊びを組み合わせて、運動＋知的刺激を両方満たしてあげる
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載します。現時点で、特定の重い遺伝病が多発しているという報告は少なく、比較的健康的な猫種とされていますが、個体差はあるため定期的な健康チェックが大切です。子猫ブリーダー
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥満・関節への負担 | 中〜大型で食欲も旺盛なため、運動不足や食べ過ぎが続くと肥満になりやすく、関節や腰への負担が心配される |
| 心臓病（HCMなど） | 多くの猫種に見られる心筋症などの心臓病リスクはゼロではなく、定期健診や心音チェックで早期発見に努めたい |
| 毛球症・皮膚トラブル | ダブルコートの抜け毛を飲み込むことで毛球症のリスクがあり、ブラッシング不足で毛玉・皮膚トラブルにつながることも |
📊 平均寿命（一般例）：12〜16年程度
💡 日頃から適正体重の維持と、年1回以上の健康診断・ワクチン、ブラッシングによる被毛ケアを続けることで、シニア期まで安心して暮らしやすくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | 30万前後が目安（国内ブリーダー・子猫紹介サイトの成約価格ベース） |
| 価格差の要因 | 血統ランク、ショー向きかペット向きか、多指症や尻尾の長さ、毛質・体格の良さ、輸入コストなど |
| 購入ルート | 海外ブリーダーからの直接輸入、輸入代行を行うペットショップ、レアキャットを扱う国内キャッテリーなど |
💡 選び方のコツ
親猫の健康状態（ワクチン歴、遺伝病の有無）、性格（人慣れ具合・他猫との相性）、飼育環境（清潔さ・社会化の状況）をしっかり確認しましょう。特に海外から迎える場合は、信頼できるブリーダーかどうか、輸送時の安全対策やアフターフォローの有無も重要なチェックポイントです。
ピクシーボブとの暮らしは、「大きめの猫と、ちょっと犬っぽい相棒」と一緒に住んでいる感覚に近いかもしれません。朝は飼い主の後をついて家じゅうをパトロールし、家事をしているときも少し離れたところからじっと見守っていたり、時々足元にやってきてスリスリしたり。
日中はお気に入りの窓辺やキャットタワーの上でくつろぎつつ、遊びのスイッチが入るとダイナミックなジャンプや全力ダッシュで運動不足を一気に解消。夜は大きな体で膝や隣の席を占領しながら、低めのゴロゴロ音を響かせて一緒にリラックス…そんな“ワイルドだけど家族思い”な日常を楽しめる猫種です。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
ピクシーボブは穏やかで家族思いな一方、運動量が多くブラッシング頻度も高めな猫種です。猫飼育そのものが完全に初めて、かつ留守番が長い家庭には少しハードルが高めですが、ある程度猫との暮らしに慣れていて、遊びやお手入れに時間をかけてあげられる家族にはとても良きパートナーに。子どもや他のペットとも上手に付き合えるタイプが多いため、にぎやかな家庭とも相性が良いと言えます。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| メインクーン | 穏やかで社交的、甘えん坊だがマイペース | 日本でもブリーダー・ショップともに比較的多く見つかる | 大型だが性格が穏やかで、多頭飼い・家庭向き |
| ベンガル | 活発で好奇心旺盛、人ともよく遊ぶスポーツ系 | 専門ブリーダーが多く、レアではないが価格はやや高め | 運動量が非常に多く、遊び時間の確保ができれば◎ |
| アメリカン・ボブテイル | 社交的で人懐っこく、犬のようと評されることも | 日本ではレアだが、海外ではピクシーボブよりやや入手しやすい | 中〜大型で運動量は多めだが、順応性が高く家庭向き |
ピクシーボブって、“山にいるワイルドなおじさん猫”みたいな見た目してるけど、本当に家の中で暮らしてるの？ ぼく、あんな大きいのがソファに座ってたらちょっとビクッてしちゃうかも…。
見た目はたしかに山のボスみたいだけど、中身はすごく穏やかで優しい子が多いんだよ。人や子どもにもフレンドリーで、他のペットとも上手に距離を取れるタイプ。ゆうまさんみたいに最初はビビりさんでも、ゆっくり慣れれば“頼れるお兄ちゃん”として一緒にくつろげるかもしれないね。
そんなに大きくて筋肉ムキムキだと、ごはんもモリモリ食べるよね？ ぼく、ちょっと太りやすいから気をつけてるけど、ピクシーボブさんのごはん管理ってどんな感じなの？
ピクシーボブも筋肉質で体がしっかりしてる分、高品質なフードでたんぱく質をしっかり取るのが大事なんだ。でも、食べた分だけ運動できないと太りやすいから、量はきちんと量って、遊び時間もセットで考えてあげる感じかな。大きいけど“がっちり引き締まったボディ”を目指すイメージだね。
ぼくは中毛でブラッシングされるとすぐゴロゴロしちゃうけど、ピクシーボブさんは毛が多そうだよね？ やっぱり毎日ブラシされる“ふわふわ修行”コースなのかなぁ…。
そのとおりで、ピクシーボブはダブルコートで毛量が多いから、できれば毎日ブラッシングしてあげたい猫種なんだ。抜け毛を取ってあげないと毛玉や毛球症の原因になるしね。でも、ブラシが好きな子も多いから、“一緒に気持ちよくなるスキンシップタイム”として続けられれば、お互いにとって良い時間になると思うよ。
日本ではあんまり見かけないって聞いたけど、もしピクシーボブさんを迎えたいって人がいたら、どうやって探すの？ やっぱり海外から？ぼく、飛行機とか船とか、ちょっと想像だけでドキドキしちゃう…。
日本だと本当に頭数が少ないから、まずは信頼できる情報源で猫種のことをよく調べて、海外のブリーダーさんや輸入代行をしてくれるペットショップを探すところからになるね。言葉や検疫のハードルもあるから、“この猫種が本当に自分たちの暮らしに合うかどうか”を家族みんなでじっくり話し合うのが大事だよ。
ピクシーボブさんって、犬みたいに一緒にお散歩したり遊んだりするのが好きって聞いたんだけど、ぼくみたいな“のんびりソファ派”の猫とも仲良くできるかな？ ペース違いでケンカになったりしない？
たしかにピクシーボブは遊ぶのが大好きだけど、落ち着きもあって賢いから、相手のペースを読める子も多いんだ。元気いっぱいの時間は人とおもちゃで発散してあげて、ゆうまさんみたいな子とは“まったりタイム”を共有する、って分けてあげるといいかもね。ゆっくり慣らしていけば、ソファで一緒にお昼寝する日もきっと来ると思うよ。
ピクシーボブは、ボブキャットのようなワイルドな見た目と、家族に深く寄り添う穏やかな性格をあわせ持った、とても“ギャップのある”猫種です。日本ではまだ出会うのが難しいレアキャットですが、大きな体で膝に乗ってきたり、犬のように一緒に遊んだり散歩したりと、暮らしの中で感じられる一体感は格別なものになりそう。お迎えを考えるときは、十分な運動スペースとブラッシングの時間、そして長時間のお留守番が少ない生活スタイルかどうかをしっかり確認しながら、家族みんなでじっくり話し合って決めてあげたいですね。
