「シャム猫が好きだけど、あの極端に細い体型はちょっと…」という方にぴったりなのが、タイという猫種です。
タイは、タイ王国原産のウィチアンマートをルーツにした“昔ながらのシャム”を再現した猫で、丸みのある顔立ちと、ほどよく引き締まった体型、そして人懐っこくおしゃべりな性格が魅力です。
見た目はシャムに近いポイント柄ですが、表情やシルエットはどこか柔らかく、親しみやすい雰囲気。そんなタイの基本データから、日本での入手事情、性格・飼い方のコツまで、初めて猫を迎える方にも分かりやすく解説していきます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | タイ王国(タイ原産のウィチアンマートをもとに、西欧で再構成された品種) |
| 毛の長さ | 短毛(ごく短く、体に沿って寝るシングルコート) |
| カラー | 基本はカラーポイント系。シール/ブルー/ライラック/チョコレートなど各種ポイントカラー |
| 模様パターン | ポイント(カラーポイント)/リンクスポイント(タビー)/トーティポイントなど |
| 体重 | オス4〜5kg前後/メス3〜4kg前後(中型クラス) |
| 性格 | 愛情深く人懐っこく、おしゃべりで遊び好き。寂しがりな一面もあると言われる |
| 寿命(一般例) | 15〜20年前後(個体差あり) |
| 公認団体 | TICA・WCF・FIFe(Preliminary)ほか |
| 入手難易度(日本) | ★3(やや難しい・希少だが入手ルートはある) |
💡特徴
タイは、タイ王国の伝統的な猫「ウィチアンマート」をベースに作られた、いわば“クラシックシャム”です。やや丸みのあるくさび形の頭部に、大きな耳と澄んだブルーの瞳を持ちます。体型はスリムで筋肉質ですが、現代のシャムほど極端に細長くはなく、ほどよく肉付きのある中型ボディ。
被毛は短くなめらかなシングルコートで、クリーム〜ベージュ系のボディカラーに、顔・耳・四肢・しっぽへポイントカラーが入るのが特徴。リンクスポイント(タビー模様が入ったポイント)やトーティポイントなど、バリエーションも豊富です。全体として、モダンなシャムよりも優しい印象で、「丸顔のシャム」と表現されることもあります。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | 希少種やシャム系を扱う一部ショップで、入荷があれば検討可能 | |
| ブリーダー | タイを扱う国内ブリーダー、シャム系専門キャッテリーなど | |
| 里親募集 | 「タイ」明記の募集は稀で、シャム系ミックスとして出る可能性が高い |
💬 解説
日本では、タイはシャムと比べるとまだまだマイナーな存在で、一般的なペットショップで常時見かける猫種ではありません。「丸顔シャム」「オールドスタイルのシャム」として紹介されることもあり、取り扱いがあったとしても入荷頻度は低めです。
一方で、タイを取り上げる国内メディアや、タイを繁殖しているブリーダーは少数ながら存在しており、時間をかけて探せば純血のタイに出会える例も報告されています。価格帯は、血統書付きの純血種として15万〜25万円前後が一つの目安で、ブリーダーから直接迎える場合は10万〜20万円程度から、ショーラインや人気カラーではそれ以上になることもあります。
保護猫・里親ルートでは、「タイ」と明記されるケースは非常に少なく、多くは「シャム系ミックス」「ポイント柄の雑種」として募集されると考えられます。純血にこだわる場合は、血統書の発行団体や登録名をしっかり確認しておきましょう。
💡 豆知識
ぱっと見で「シャムかな?」と思っても、丸みのある顔立ち・ほどよい体型・血統書の“Thai”表記がそろっていれば、タイとして登録されている可能性が高くなります。見た目だけでは判別が難しいので、書類チェックは必須です。
- 愛情深く、人のそばにいたがる
- とてもおしゃべりで、気持ちを声で伝えるのが上手
- 遊び好きで活発だが、極端にハイテンションすぎない
- 寂しがり屋で、留守番が長いとストレスになりやすい
タイは、とにかく「人が大好き」な猫種と言われます。家の中ではどこへ行くにもついてきて、まるで会話をするかのようにニャアニャアと返事をしてくるおしゃべり上手な子が多いです。
遊びも大好きで、猫じゃらしや追いかけっこでよく動きますが、常に暴れ回るタイプではなく、“よく遊び・よく甘える”バランスの取れたテンション感。賢く、環境への適応力も高いので、多頭飼いや室内生活にも馴染みやすい猫種です。
その一方で、寂しがりな一面もあり、長時間ひとりの時間が続くとストレスをためやすいと言われています。タイと暮らすなら、コミュニケーションの時間もしっかり作ってあげたいところです。
- とにかく人懐っこく、家族にベッタリ
- おしゃべりだけど声が柔らかく、会話しているようで楽しい
- 活発さと穏やかさのバランスがよく、室内でも暮らしやすい
- 留守番が苦手で、寂しさから大きな声で鳴くこともある
- 頭が良く、ドアを開ける・物を落とすなど“高度なイタズラ”をする子もいる
- おしゃべりの多さが、人によっては「ちょっと騒がしく感じる」との声も
- 玄関チャイム=おしゃべりスイッチON
インターホンが鳴ると、誰よりも先にドア前でスタンバイ。「誰か来たよ!」と鳴きながらウロウロするので、宅配の人よりも先にタイ猫に挨拶することになる。 - 電話中に必ず乱入してくる
飼い主が電話をすると、なぜかそのタイミングで一番しゃべりたくなる。スピーカー越しに「ニャアニャア」と割り込むので、相手から「猫ちゃん元気だね」と毎回ツッコまれる。 - PC作業=膝の上は予約制
パソコンを開いた瞬間、「お膝あいてますか?」とばかりに飛び乗ってくる。キーボードの上を歩かれるよりマシだと思いながらも、足のしびれと戦う飼い主多数。 - 湯気の出るものは全部チェック隊
お風呂、加湿器、コーヒーカップ…湯気が出るものはとりあえず覗きに来る。「それ何してるの?」と真剣な顔で見つめてくるので、つい湯気の説明をしてしまう。 - 名前を呼ぶと必ず“返事+小走り”
名前を呼ぶと「ニャ!」と元気に返事してトコトコ駆け寄ってくる。時々、用もないのに名前を呼んでしまい、「また呼んだ?」と不思議そうな顔をされるのもお約束。 - 動画視聴は“猫解説付き”になる
映画やドラマを見ていると、画面のキャラクターと同じくらいの熱量で鳴きながらコメントしてくる。「このシーン好きなの?」とつい一緒に作品を語り合ってしまう。 - 寝るときは枕の横が定位置
なぜか人の枕の横が一番落ち着くらしく、毎晩そっと滑り込んできて一緒に就寝。朝起きると、自分よりも気持ちよさそうに眠るタイ猫に場所を譲った記憶がよみがえる。 - 来客には“ガイドさん”モード発動
人見知りが少ない子だと、来客に部屋を案内するかのように先導開始。「ここがリビングで、ここがボクのご飯の場所ね」とでも言いたげに、しっぽを立てて先回りする。 - ちょっと立つだけで「どこ行くの?」
ソファから立ち上がるだけで「トイレ?キッチン?遊ぶ?」と後をついてくる。用事を忘れて撫でてしまい、「あれ?何しようとしてたんだっけ」となるのもあるある。 - 夜の“反省会”タイムが長い
一日の終わり、ベッドに入ると隣に来て今日あったことを一気におしゃべり。飼い主の話に相槌を打つように「ニャ」「ンニャ」と返事をしてくれるので、人間側の気持ちも整理されていく。
タイ(Thai)は、その名の通りタイ王国原産の「ウィチアンマート」と呼ばれる猫をルーツに持つ猫種です。ウィチアンマートは、タイの古い猫の詩集『タムラ・メーオ(Tamra Maew)』にも登場する伝統的なポイント柄の猫で、「月のダイヤモンド」とも意訳される、美しい青い瞳とポイントカラーが特徴の猫として古くから愛されてきました。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、このウィチアンマートが「シャム猫(サイアミーズ)」の名で欧米に輸出され、当時の猫界に大きなインパクトを与えます。ところが、西洋での品種改良が進むにつれて、より細長く耳の大きい“モダンスタイル”のシャムが人気を集めるようになり、もともとの丸みを帯びた体型の個体は次第にショー会場から姿を消していきました。
この流れに危機感を覚えたブリーダーたちは、「昔ながらのシャムの姿を残したい」と考え、タイ本国のウィチアンマートに近いタイプの猫を集めて独自のブリーディングプログラムを開始します。こうして「オールドスタイル・シャム」「トラディショナル・シャム」と呼ばれていた系統が整理され、ヨーロッパや北米で新たにひとつの品種としてまとめられたのが、現在の“タイ”です。世界猫連盟(WCF)は1990年にタイを別品種として認め、TICAでも2010年にチャンピオンシップステータスが与えられました。FIFeも2015年に予備登録扱いで承認しており、「モダンなシャム」とは異なる品種として国際的な地位を確立しつつあります。
日本では長らく「シャム猫=細身でシュッとした猫」というイメージが強かったため、タイの知名度は高くありませんでした。しかし近年、「丸顔のシャム」「クラシックシャム」といった言葉とともに紹介される機会が増え、国内の猫種解説サイトなどでは、モダンタイプのシャムと区別して「オールド(トラッド)スタイル」として解説されるようになりました。ウィチアンマートというタイ本来の猫をベースに、西洋でのシャムの歴史を受け継ぎながら、「極端すぎないスタイル」と「人懐っこい性格」を守ることを目的に生まれたのが、現在のタイという猫種なのです。
環境づくり
- 人のそばにいたがるので、家族が集まりやすいリビングにベッドやくつろぎスペースを用意する
- よく遊ぶが極端に高い場所は必要ないので、2〜3段程度のキャットタワーやステップがあると安心
- 留守番時間が長くなる家庭では、おもちゃや隠れ家、窓辺など「ひとりでも退屈しにくい工夫」をしてあげる
食事
- 中型で筋肉質な体型を維持できるよう、総合栄養食をベースに適量を管理する
- おしゃべりや甘えでおやつをねだられても、あげすぎず、体重管理とバランスの良い食事を意識する
遊び
- 猫じゃらしやボール遊びなど、狩猟本能を刺激する遊びを1日数回、短時間でもこまめに取り入れる
- 賢い猫なので、知育おもちゃやおやつ入りトイなど「頭を使う遊び」も取り入れると満足度が高い
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載(※一般的な猫全般+シャム系の傾向レベルの情報です)
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 歯周病 | 口内トラブルは多くの猫で見られ、特にドライフード中心の生活では歯石が付きやすい。定期的な歯みがきやデンタルケアおやつ、動物病院でのチェックが大切。 |
| 心疾患(一般例) | 一部のシャム系の血統では心疾患が指摘されることもあるが、タイ固有のデータは限定的。定期健診で心音やエコー検査を受け、早期発見を心がけたい。 |
| 関節・筋肉のトラブル | 活発でよく動く一方、ジャンプや高所からの着地が多いと関節に負担がかかることも。シニア期には段差を減らしたレイアウトにしてあげると負担軽減になる。 |
📊 平均寿命(一般例):15〜20年前後
💡長生きしてもらうためには、年1回以上の健康診断にくわえて、7〜8歳を過ぎたら血液検査や尿検査も定期的に行い、早めに体調の変化に気づいてあげることがポイントです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | ペットショップ:約15万〜25万円前後/ブリーダー直:約10万〜20万円前後が目安 |
| 価格差の要因 | 血統(ショーラインかどうか)、ポイントカラーの人気、親猫の評価、ブリーダーの実績など |
| 購入ルート | タイを扱うブリーダー、シャム系専門キャッテリー、ごく一部のペットショップなど |
💡 選び方のコツ
見た目だけでなく、「どの団体の血統書か」「親猫の健康状態」「性格の説明が具体的か」をしっかり確認しましょう。タイとして登録されているかどうかは、血統書の表記が重要なチェックポイントです。
見学の際には、親猫や兄弟の様子、飼育環境の清潔さ、人への慣れ具合なども見て、「このブリーダーさんなら安心して任せられる」と感じられるかどうかを重視しましょう。
タイとの暮らしは、とにかく“会話の多い毎日”になります。朝起きて「おはよう」と声をかければ、「ニャ」と返事。ごはんの用意をしていれば、「それぼくの?」「まだ?」と言いたげに足元でおしゃべり。
家事や仕事で部屋を移動すると、そのたびにトコトコついてきて、イスに座れば膝の上を確保。PC作業を始めると、画面の端に座ってこちらを見守りながら、ときどき「休憩しよ」と鳴きかけてくる…そんな関わりの深い時間が当たり前になっていきます。
夜、ベッドに入るころには、隣や枕元にそっと寄り添い、1日の出来事を報告すると「うんうん」と頷くように声を返してくれることも。タイと暮らすというのは、“猫と一緒に住む”というよりも、“おしゃべり好きな家族がひとり増える”感覚に近いかもしれません。

| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
タイは人懐っこく賢い猫なので、初めて猫を迎える方でも、しっかり情報収集して向き合えるタイプなら十分に飼いやすい猫種です。ただし寂しがり屋な一面があるため、長時間の留守番が続くライフスタイルだとストレスになりやすいことも。
在宅時間が比較的長い1人暮らしや、家族の誰かが家にいることが多い家庭との相性が良いと言えます。子どもがいる家庭では、「追いかけすぎない」「静かにしてあげる時間も大事」など、タイ側のペースも尊重できるルール作りがポイントです。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| シャム(サイアミーズ・モダンタイプ) | 非常に活発で社交的。おしゃべりで自己主張が強い | (日本でも比較的流通) | 体力・遊び相手が必要。経験者向きと言われることも |
| ラグドール | おっとり穏やかで抱っこ好き。マイペースでのんびり | (ブリーダー・ショップとも多い) | 性格は穏やかだが、長毛のためブラッシングなどのケアが必須 |
| アメリカンショートヘア | 明るく陽気で遊び好き。適度に自立心もある | (非常にメジャー) | 初心者にも人気。適度な運動と体重管理をすれば暮らしやすい |

タイっていう猫さん、写真で見ると“丸顔のシャムさん”みたいなんだけど…。あれって、シャムさんとは別の猫なの?

いいところに気づいたねぇ。もともとは同じルーツなんだけど、細くてシュッとした“モダンシャム”と、丸めで親しみやすい“オールドスタイル”に分かれて、そのオールドの方を『タイ』って呼ぶようになったんだよ。タイに残っていた昔ながらの姿を大事にした猫だね。

ふむふむ…。タイさんって、顔もからだも少し丸いよね? ぼくみたいな“ぽよん系”と比べると、どのくらい細いのかな…?

ゆうまさんよりはスリムだけど、モダンシャムほど細くはない感じかな。ちゃんと筋肉がついた中肉中背で、首まわりや顔にちょっと丸みが残ってるのがタイらしさなんだ。『細すぎないシャム系』ってイメージで覚えておくと分かりやすいかも。

性格はどうなんだろ…。ぼくは人見知りだけど、パパとママにはべったりでしょ? タイさんは、どんな甘え方をするの?

タイもかなり甘えん坊だよ。人のあとをついて回ったり、おしゃべりしたり、“一緒にいたいです〜”ってアピールが得意。ゆうまさんみたいに静かにくっつくタイプというより、もう少し声と動きで気持ちを伝えてくる感じかな。

そんなにベタベタさんだと、お留守番はちょっと苦手そうだね…。パパとママがお仕事の間、タイさんは大丈夫なの?

そこがちょっと注意ポイントなんだよね。タイは人が大好きだから、長いお留守番が続くと寂しくなりやすいって言われてるよ。留守が多いお家なら、おもちゃやキャットタワーを工夫したり、猫同士で過ごせるように多頭飼いを検討したり、環境づくりが大事になってくるね。

最後に、タイさんをお迎えしたい人に、パパからひと言アドバイスするとしたら…何が一番大事かな?

まずは、シャムとタイの違いをちゃんと説明してくれる、信頼できるブリーダーさんやショップを選ぶこと。それから、よくしゃべってよく甘えるタイプだから、『いつも一緒にいたいね』って思ってくれる家族と暮らせるかどうかも大切かな。見た目だけじゃなくて、性格との相性もイメージしてあげてほしいな。

タイは、“昔ながらのシャムらしさ”を残した、とても人懐っこいポイント柄の猫です。丸みのある顔とやさしい雰囲気に惹かれる人も多いですが、本当の魅力は、よくしゃべり、よく甘えてくれる濃いコミュニケーションにあります。日本ではまだ頭数が多くないので、いい出会いを待つ時間も含めて、一緒に暮らすイメージをじっくり育ててからお迎えしてあげると、お互いにとって幸せなスタートになると思います。

