トイボブの性格・特徴・飼い方|一生子猫サイズの甘えんぼコンパニオン

「成猫になっても子猫みたいなサイズ感で、一緒に暮らしたい」――そんな夢を叶えてくれるのが、世界最小クラスと言われる猫種「トイボブ」です。
見た目はぬいぐるみのように小さくても、中身はしっかり遊び好きで甘えん坊な成猫。ここでは、日本でお迎えを検討している方向けに、性格・特徴・日本での入手事情・飼い方のポイントまでを分かりやすくまとめました。


基本データ&見た目の特徴

項目内容
原産国ロシア連邦(ロストフ地方〜ウラル地方原産とされる)
毛の長さ短毛/セミロング(ショートヘア=Toybob、セミロング=Toybob Longhair として区別)
カラーカラーポイント系(シール/ブルーなど)、ミンク、ソリッド、タビーなど
模様パターンポイント/ミンク/タビー/ソリッド ほか(ほぼ全てのパターンが許容)
体重オス・メスとも約2.0〜3.0kg前後(成猫でも一般的な生後6か月子猫ほど)
性格甘えん坊/人懐っこい/おだやか/遊び好き/ややシャイ
寿命(一般例)おおよそ14〜18年前後(個体差あり)
公認団体CFA・TICA・ACFA ほか複数団体で公認
入手難易度(日本)★4(かなり困難:国内ブリーダーが少なく、ペットショップ流通はごく稀)

💡特徴
トイボブは、「世界最小クラス」と言われる自然発生の小型猫種です。成猫になっても全体的にコンパクトで、体重も2〜3kg前後と小柄。ただし、華奢というよりは筋肉質でしっかりした体つきで、脚はやや短めのずんぐり体型をしています。
最大のチャームポイントは、いくつかの椎骨が曲がった“短くボブ状のしっぽ”。しっぽの長さや形には個体差がありますが、くるっと曲がったり、ぽちっとしたポンポン状だったりと、思わず見つめてしまう愛らしさです。頭部は丸みが強く、ふっくらした頬に大きく丸い目がよく映えます。ショート/セミロングのどちらも、なめらかで手触りの良い被毛を持ち、撫で心地は抜群です。


日本での入手難易度・流通状況

区分難易度主な入手先
ペットショップ ごく一部の希少種専門ショップで、輸入個体を扱う可能性がある程度
ブリーダー 国内のトイボブ/希少種専門ブリーダー、輸入ブリーダー経由
里親募集 純血トイボブが保護団体に出るケースはほとんどないと考えられる

💬 解説
日本でトイボブを探す場合、一般的なペットショップで出会える可能性はごくわずかです。基本的には、国内で少数ながら繁殖しているブリーダーさん、あるいは海外ブリーダーからの輸入がメインルートになります。
子猫販売サイトなどを見ると、毎年わずかに出産・販売例があり、価格はおおよそ35万〜70万円前後が目安。ショータイプや海外有名キャッテリーの血統になると、100万円を超えるケースもあります。頭数が少ないため、「この毛色で、この性格の子」といった希望条件を細かく指定すると、出会えるまで時間がかかることも覚悟しておきましょう。
また、里親・保護猫として純血のトイボブが出てくることはほぼ無く、「小柄でしっぽが短い」という見た目だけでトイボブ風に見えるミックスが紹介される場合もあります。純血にこだわる場合は、血統書の発行団体や親猫の情報、ブリーダーの繁殖ポリシーをしっかり確認することが重要です。

💡 豆知識
「一生子猫サイズ」というキャッチコピーだけで判断せず、その子が健康的に育っている“小柄な成猫”なのか、体格不良で小さいのかを見極めるためにも、獣医師の健康チェックと信頼できるブリーダー選びがとても大切です。


性格と行動の特徴

  • 甘えん坊で人のそばが好き
  • おだやかで、鳴き声は小さめ
  • 遊び好きで、よく動くコンパニオンタイプ
  • 初対面にはややシャイな子も

トイボブは、その小さな体からは想像できないほど、「よく遊び・よく甘えてくれる」コンパニオンタイプの猫種と言われます。基本的には穏やかで、人に対してフレンドリー。家の中では飼い主のあとをテトテトついて回る“ストーカー気質”な子も多いようです。
鳴き声は高く小さめで、あまり大声で鳴き続けるタイプではないため、マンションなどの集合住宅でも比較的飼いやすいと感じる人が多いようです。一方で、初めて会う人には少しシャイになって隠れてしまう子もおり、“家族にはベッタリ・来客には控えめ”というメリハリのある性格の子もいます。

飼い主の声:良いところ
  • 「一生子猫サイズ」が本当に可愛い
     成猫になっても身体が小さく、動きも子猫のように軽やかなので、見ているだけで癒やされるという声が多いです。膝や腕にすっぽり収まるサイズ感がたまらない、という口コミも。
  • 性格がおだやかで甘えん坊
     人への愛着が強く、家の中では飼い主のあとをついて回るタイプが多いとされます。よく遊び、よく甘え、抱っこや膝乗りが好きな「理想のコンパニオンキャット」という評価も目立ちます。
  • 鳴き声が小さく、集合住宅でも飼いやすい
     声が高く小さめで、鳴き続けることも少ないため、マンションなどでも比較的飼いやすいと感じる人が多いです。静かにそばにいてくれる存在として、高く評価されています。
飼い主の声:気になるとこ
  • とにかく入手が難しく、価格も高い
     日本で探してもブリーダーが限られ、出産頭数も少ないため、気に入った子に出会うまで時間がかかるという声が多数。相場が高く、諸費用を含めるとかなりの出費になるケースもあります。
  • 小ささゆえ、ケガが心配
     身体がとても小さいため、誤って踏んでしまう、ソファやベッドからの落下など、日常のちょっとしたことでもケガにつながらないか心配という意見があります。小さな子どもがいる家庭では特に注意が必要です。
  • 希少種ゆえ情報が少なく、日本語情報の偏りも
     国内での飼育頭数が少なく、日本語の体験談や病気・ケアに関する情報がまだ多くありません。そのため、英語情報を読んだり、ブリーダーと密に相談したりする必要があり、初心者には少しハードルが高いとの声もあります。

トイボブあるある10選

  • 成猫なのに「いつまで子猫なの?」と聞かれる
    動物病院や友人に見せるたび、「この子、まだ子猫?」と聞かれるのが定番。年齢を伝えると毎回びっくりされるので、飼い主も説明がテンプレ化してくる。
  • ソファの隙間にスッ…と消える名人
    身体が小さいせいで、ソファの隙間やクッションの山にスルッと潜り込んでしまう。気付いたら「そんなところに!?」という場所からキョトンと見つめられている。
  • 短いしっぽの「ぷるぷる怒り」ポーズがかわいすぎる
    ちょっと不満があると、短いしっぽをぷるぷる振ってアピール。でも全然迫力がなくて、むしろかわいさ倍増。つい笑ってしまい、怒っていることを忘れそうになる。
  • ジャンプは意外と本気仕様
    小さいから運動能力も控えめ…と思いきや、意外と高い棚にもピョンッと飛び乗る。軽い身体でスッと上がるので、「家具の上は安全地帯」と油断していた飼い主が慌てる。
  • ひざの上が“定位置”になりがち
    パソコン作業やスマホタイムになると、気付けばひざの上にちょこん。軽くて邪魔になりにくいから、そのまま長時間乗せてしまい、飼い主の足だけがしびれてくる。
  • 大きな猫ベッドが「お城サイズ」
    一般的な猫用ベッドを買うと、トイボブにはやや広すぎて、すみっこで丸くなるか、真ん中で大の字かの二択に。ベッドの方が主役に見えてしまうあるある。
  • 家族の足音にピタッとついてくる影武者
    キッチン、トイレ、洗面所…どこに行ってもテトテトついてくる。ふと振り返ると足元にいて、思わず「さっきからずっといたの!?」と驚かされることもしばしば。
  • おもちゃよりも人の手遊びが好き
    猫じゃらしも大好きだけど、一番盛り上がるのは飼い主の指や手を使った遊び。小さな前足でちょいちょいしてきて、そのうち仰向けになって「こちょこちょ待ち」状態に。
  • 写真だとサイズ感が伝わらない問題
    SNSに写真をあげても、「ふつうの猫」に見えてしまう悲しみ。実物を見た人にだけ「え、思ったより小さい!」と驚かれるので、比較用にペットボトルを並べて撮りがち。
  • 体重計の数字が増えないと、逆に不安になる
    毎月の体重チェックで2kg台前半をキープ。「増えないけど大丈夫?」と心配になるが、獣医さんから「この子はこのサイズで普通ですよ」と言われてホッとする…を何度も繰り返す。

歴史とルーツ

トイボブは、1980年代のロシアで誕生した、比較的新しい猫種です。最初の始まりは1983年ごろ、ロストフ地方でエレナ・クラズニチェンコという女性が、シャムのような毛色と、強く曲がった短いしっぽを持つ野良猫を保護したことだとされています。続いて1985年、彼女の母親が同じく短く曲がったしっぽを持つシールポイントのメス猫を保護し、この2匹の子孫から、現在のトイボブにつながる系統づくりが始まりました。

当初、この小さな猫たちは「スキフ・タイ・ドン」「シス・トイ・ボブ」など複数の名前で呼ばれており、ロシア国内外のクラブでさまざまな系統が並行して発展していきました。やがてウラル地方のブリーダーたちが、同じように小型で短いしっぽを持つ在来の家庭猫を計画的に交配に取り入れ、遺伝的な多様性を確保しながら、現在のトイボブらしいタイプを固めていきます。この過程で、ほぼすべてのトイボブが共通の祖先「クツィイ(Kutciy)」にさかのぼれると言われています。

2000年代に入ると、ロシア国外への輸出が始まり、TICAでは2008〜2009年ごろに「Experimental(実験品種)」として登録され、2010年代には「Registration Only」「Preliminary New Breed」と段階的にステータスが昇格しました。2019年にはCFAで正式な猫種として認められ、2020年代にはACFAなど他の団体でもチャンピオンシップクラスに進出するなど、国際的な評価が急速に高まっています。

トイボブの大きな特徴である短いボブテイルは、ロシア在来猫に自然発生した突然変異によるもので、日本のジャパニーズボブテイルやクリリアンボブテイル、マンクスなど他のボブテイル系とは遺伝的に別系統とされています。現在では、ショートヘアとセミロングの両タイプが認められ、「小さくて一生子猫のようなコンパニオンキャット」として世界中で少しずつファンを増やしている希少猫種です。


飼い方のコツ

環境づくり

  • 踏まれ事故や落下事故を防ぐため、高さ控えめのキャットタワーやステップを選ぶ
  • ドアの開閉や椅子・ソファの隙間など、「小さな体だからこそ挟まれやすいポイント」を意識しておく
  • 静かに休めるベッドや隠れ家スペースを用意し、安心できる居場所をつくる

食事

  • 小柄だからといって過度な少食にせず、体格に合った総合栄養食を適量与える
  • 肥満も痩せすぎも避けるため、月1回程度の体重測定で「その子なりのベスト体型」を維持する

遊び

  • 体は小さくても運動欲求はしっかりあるため、1日数回の短い遊び時間をこまめにとる
  • 走り回れるスペースと、高すぎないジャンプ台を組み合わせて、「安全に運動できる環境」を意識する

健康と寿命

先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載(※一般的な猫の傾向+小型猫としての注意点レベルでの記述です)

病名内容
関節・骨のトラブル小柄で骨が細めな個体もいるため、高所からの落下や段差の負担で関節・骨にダメージを受ける可能性があります。無理なジャンプをさせない環境づくりが大切です。
歯周病小さな顎の猫全般に言えることですが、歯石や歯周病が進行しやすい場合があります。定期的なデンタルケアや歯科チェックを心がけましょう。
肥満・筋力低下室内オンリーの小型猫は運動不足から筋力低下や肥満になりやすいことがあります。適度な運動と食事管理で、スリムで筋肉質な体型を維持しましょう。

📊 平均寿命(一般例):おおよそ14〜18年前後
💡健康維持のためには、年1回以上の健康診断とワクチン接種に加え、シニア期に入る8〜10歳頃からは血液検査なども含めた定期チェックを行い、その子の体格や生活スタイルに合わせたケアを続けることがポイントです。


子猫の価格と選び方

項目内容
平均価格おおよそ35万〜70万円前後(ショータイプや希少血統で100万円超も)
価格差の要因血統(ショーラインかどうか)、毛色・パターン、親猫の評価、ブリーダーの知名度や輸入コストなど
購入ルート国内のトイボブ/希少種ブリーダー、海外ブリーダーからの直輸入、高級ペットショップ経由など

💡 選び方のコツ
価格だけで判断せず、「どの団体の血統書か」「親猫の健康診断の有無」「ブリーダーがどれだけ生活環境や性格を教えてくれるか」をしっかり確認しましょう。
可能であれば見学時に、親猫や兄弟猫の様子もチェックし、「人への慣れ具合」「清潔な環境かどうか」「無理な多頭繁殖をしていないか」なども見ておくと安心です。


トイボブと暮らす日常

トイボブとの暮らしは、「いつまでたっても小さな家族がそばにいる」ような、ちょっと不思議で、でもとてもあたたかい時間の連続です。
朝、目を覚ますと布団の端っこで小さく丸まり、こちらの動きに合わせて伸びをしながら近づいてくる。その姿は、まるでぬいぐるみが動き出したかのよう。

日中は、キッチンやリビングでの家事のあとをテトテトついてきて、ときどき足元でくるっと振り返り、「次どこ行くの?」と言いたげに見上げてきます。夜はソファやベッドで、膝の上や腕の中にすっぽり収まってウトウト。静かな鳴き声と小さな寝息が、暮らしのBGMになっていきます。


向いている飼い主タイプ

飼い主タイプ相性度
初心者
共働き家庭
子どもがいる家庭
1人暮らし

💬 コメント
穏やかで甘えん坊な性格のため、初めて猫を迎える方でも「しっかり調べるタイプ」であれば相性は良好です。ただし、希少種で情報が少ないぶん、事前リサーチやブリーダーとのコミュニケーションが必要になるので、まったく予備知識なく迎えるのはややハードル高め。
小さな体は事故リスクもあるため、小さなお子さんがいる家庭では「踏まない・抱き方を教える」などの配慮が必須です。一方で、在宅時間が長い1人暮らし・共働き家庭であっても、日々のスキンシップと安全な環境づくりができるご家庭なら、良きパートナーになってくれるでしょう。


よく比較される猫種との違い

猫種性格入手難易度飼いやすさ
マンチカン明るく社交的、遊び好き :国内ブリーダー・ショップとも比較的多い足が短く運動量もあり、室内環境づくりをすれば飼いやすい
ジャパニーズボブテイル活発で賢く、人とよく遊ぶ :国内ブリーダーは限定的だが、探せば見つかる活発で運動量が多いが、人と遊ぶのが好きでコミュニケーション豊富
クリリアンボブテイル温厚で落ち着きがあり、人懐っこい :国内ではかなり希少体はしっかりめで運動も適度に必要。希少種ゆえ情報収集が必要

まとめ|ママちゃんとしょうすけの猫談義 🐾

しょうちゃん
しょうちゃん

トイボブってやつ、写真で見たけど…ぼくよりだいぶちっちゃくない? あれ、本当に大人サイズなの?

ママちゃん
ママちゃん

そうだよ〜。トイボブは“世界最小クラス”って言われるくらい小柄な猫さんなの。成猫になっても、しょうちゃんが生後半年くらいの頃のサイズ感ってイメージかな。でも骨格はしっかりしてて、ちゃんと大人の猫なんだよ。

しょうちゃん
しょうちゃん

ふーん…。あんなに小さいのに、運動とかちゃんとできるの? ぼくみたいにダッシュしたり、キャットタワーの一番上まで行けるのかな?

ママちゃん
ママちゃん

できるできる。小さい分、身軽でジャンプも上手って言われてるよ。キャットタワーも、高すぎないタイプならむしろ得意かも。性格も遊び好きだから、おもちゃでの追いかけっこもバッチリ。ただ、踏みそうになったり落下事故には、今まで以上に気を付けてあげたいかな。

しょうちゃん
しょうちゃん

へぇ〜。でもさ、そんなに珍しい猫なら、うちに来るのってすごく大変なんじゃない? パパちゃんのお財布、大丈夫かなぁ…。

ママちゃん
ママちゃん

そこ気にするの?(笑) たしかに日本ではブリーダーさんも少ないし、お迎えするにはある程度まとまった費用が必要になるね。しかも、いいブリーダーさんを探して、性格や健康状態をしっかり確認するのも大事。希少種だからこそ、“価格だけで決めない”っていうのがポイントかな。

しょうちゃん
しょうちゃん

最後にさ、トイボブと一緒に暮らすなら、パパとママは何を一番気を付けてあげたいと思う?

ママちゃん
ママちゃん

うーん、一番は“安全な環境づくり”かな。体が小さい分、転落やドア・椅子で挟まれちゃう事故には特に注意したいね。それから、静かな場所にベッドを用意したり、高さ控えめのキャットタワーを選んだり。あとは、定期的な健康チェックをしながら、その子のペースでたっぷり甘えさせてあげること。小さくても、気持ちは普通の猫さんと同じだからね。

ママちゃん
ママちゃん

トイボブは、“一生子猫サイズの甘えん坊さん”という表現がぴったりの猫種だと思います。見た目は小さくてぬいぐるみのようですが、実際にはよく遊び、よく甘えてくる立派な成猫です。日本ではまだまだ頭数が少ないので、お迎えを考えるときは、信頼できるブリーダーさん探しと、安全第一の住環境づくりがとても大切。トイボブにとっても、家族にとっても“無理のない幸せな暮らし”をイメージしながら検討してあげてくださいね。